KZ ZSN PRO と KZ ZSN PRO Xは…かなり違う

価格は似たようなものだけど

ZSN PROの発売から約1年4ヶ月後に、ユーザーのフィードバックを受けて改良したものが「ZSN PRO X」です。
主にダイナミックドライバを調整、付属ケーブルを銀メッキに変更させて パワーアップしています。ガンダムとガンダムMk2みたいなもんです。

KZ ZSN Pro 重低音 イヤホン 1BA+1DDを搭載 ハイブリッドイヤホン カナル型 高遮音性 中華 2pin リケーブル 可能 ジュラルミンフェイスプレート搭載 3.5mm プラグ (ZSN Pro銀‐青・マイクなし)

KZ ZSN Pro
(2019)

KZ ZSN Pro X IEM インイヤーバズモニター HiFi KZ 有線イヤホン ハイブリッドデュアルドライバー付き 1ba 1dd イヤモニ 有線イヤホン インイヤーイヤホン 取り外し可能 絡まないケーブル (金・マイク無し)

KZ ZSN Pro X
(2020)

「低音不足」と「高音の刺さり」を解消したProX

初代のZSN PROは、ドンシャリ(低音と高音)傾向が強い一方で、「高音が少し耳に刺さる」「ドンシャリの割に低音の深みが足りない」という評価もありました。 そこでDDをさらに改良して低音を底上げし、高音の刺さりを解消することにしました。

低音底上げ作戦

改造のイメージ図です  Pro → ProX

イヤホンの中にあるスピーカー(DD=ダイナミックドライバー)は、理科の実験でやった「電磁石」と全く同じ仕組みで動いています。

ドーナツ型の「固定された磁石」がある。
その磁石の隙間に、コイル(電線を巻いたもの)を仕込む。
音楽の電気信号が流れると、コイルが電磁石になり、永久磁石と反発して、前後にブルブル震える。
コイルにくっついた「振動板(フィルム)」が空気を震わせて、音が鳴る。

特に「低い音」のパワーを出すためには、このフィルムを大きく動かして、たくさんの空気を押し出す必要があります。

磁石とコイルの隙間を縮めたらどうか?

磁石は、電磁石に近づければ近づけるほど「引き合う力」や「退け合う力」がめちゃくちゃ強くなります。

これまでの初代PROでは、製造のしやすさ(安全マージン)を考えて、磁石とコイルの間の隙間に少し余裕を持たせていました。
しかし、ZSN PRO Xでは精度を高めて、この「磁石とコイルの隙間を限界まで狭くした」のです。

隙間をギリギリまで狭くした結果、磁力が漏れなくコイルへ伝わるようになりました。これが公式データの言う「磁気ギャップの再設計、ブラックテクノロジー」と呼ばれているものです。

いやほんと説明ないと意味が分からない。

そんなわけでProXの方がより力強い低音が出るようになりました。あとは高音です

付属ケーブルを100芯の銀メッキ線にすることで高音域をクリアにさせることにしました。高音スピーカーに変な歪み信号が突っ込まないように整流したわけです。
なんで銀メッキが必要なのか。

電気信号(音楽のデータ)がケーブルを流れるとき、実は面白い物理現象が起きます。「低い音(低い周波数)は芯線の中心近く」を通り、「高い音(高い周波数)は芯線の表面」を通りたがるという性質です。これを「表皮効果」と呼びます。(wikipedia

普通の銅線: 表面も中身もすべて銅です。
銀メッキ線: 銅線のまわりに、電気を世界で一番通しやすい金属である「銀」を薄くコーティング。するとどうなるか。

高音の通り道である「表面」を銀にすることで、高音域の電気信号の抵抗(ロス)が減り、スムーズに信号が流れるようになります。
その結果、音が籠らずに見通しの良い、クッキリとしたクリアな高音に変化するわけです。

ZSN PRO Xの公式データには「100芯(4芯×25本)」と書かれていますが、これは細い線を合計100本も束ねて1本のケーブルにしているという意味です。普通の銅線は、この中身の線がもっと細く、本数も少ないものが大半です。線を太く・多く(100芯に)すると、ケーブル全体の抵抗値がガクンと下がります。

抵抗が下がると、スマホやプレーヤーから送られた音が途中でパワーダウンすることなく、そのままイヤホンに届くため、「音の粒が細かくなる(解像度が上がる)」「音場(音の広がり)が自然に広くなる」という効果が生まれるわけです。

この銀メッキケーブルは別売りで2000円ですが PRO X(2800円程度)には標準装備で付くわけです。異常なコスパです。

性能比較表

項目KZ ZSN Pro(初代)KZ ZSN Pro X (進化版)マイナーチェンジのポイント
初登場時期2019年 前半2020年 中頃 
低音ドライバー (10mm DD)標準的な二重磁気ダイナミック改良型 二重磁気ダイナミック磁気ギャップの最適化(アコースティック・ブラックテクノロジー)により、低音のパワーとキレを大幅に強化。
高音ドライバー (BA)30095 カスタムBAユニット30095 カスタムBAユニットパーツは共通ですが、回路の最適化とケーブル変更で**「高音の刺さり」を抑制**。
付属ケーブル標準プロフェッショナルケーブル100芯 高純度銀メッキ線 (4 strands)最初から高級仕様の銀メッキ線が付属。解像度の向上と高音域の滑らかさに直結。
カラーバリエーションパープル / グレー / ブルーゴールド / ブラック金型(形)はそのままに、カラーと表面仕上げを刷新して高級感をアップ
本体重量 (左右計)29 ± 3g27 ± 3g内部構造の無駄を削ぎ落としたことで、片耳約1gの軽量化(装着感の向上)。
インピーダンス (抵抗値)24Ω25Ω内部の磁気回路変更に伴い、電気抵抗値がわずかに変動。
音圧感度112dB112dB共通(スマホでも十分に音量が取りやすい仕様)。
周波数特性7 〜 40,000Hz7 〜 40,000Hz共通(ハイレゾ基準を満たす広い再生能力)。
コネクタ (ピン型)0.75mm 2PIN (カバー付)0.75mm 2PIN (カバー付)共通(別売りのBluetoothモジュールやアップグレード線への交換に対応)。

 

まとめ

KZ ZSN PRO X は、初代PROの基本設計(ハイブリッド構成やエルゴノミクス形状)をベースに、「低音ドライバーの構造見直し」「高級感のある銀メッキケーブルへの刷新」を行うことで、音場や解像度、見た目のクオリティを総合的に引き上げたマイナーチェンジ(正統進化)モデルです。

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