【2019秋オススメアニメ】サイコパス3：感想「さらば常守！慎導最高！」

おすすめ度 ★★★★★
グロさ ★★★★☆
傑作度★★★★★

『PSYCHO-PASS サイコパス３』PV第2弾

まさか…狡噛・宜野座抜きでやるとは

シリーズものはいつか失敗するものですがサイコパスとドラクエは例外です。

驚いたことにキャラクターをバッサリいって総とっかえです。確かにそれくらいしないとアニメ自体が新鮮に保てない気がします。

常守・狡噛・宜野座がいない状態でここまで面白く出来るとは思っていなかった。特に3期、この新しい監視官シンドウは徐々に監視官のイメージを塗り替えています。

シンドウは一見ふにゃっとしているけれども手がかりを見つけてしつこく追っていく番犬という感じ。

頭のキレは一番すごいんだけれども本心や手の内を明かさずに容疑者と話すのが古畑任三郎っぽい。でもいつも下っ端ポジションに移動するあたりがいい。

今までのサイコパスのキャラってもう全体が真面目で暗すぎで堅かったわけですよ。西部警察みたいに。

みんな影があって後ろで不倫してそうっていうか。その重苦しい雰囲気を緩和してくれるので非常に見やすい。

サイコパスっていつも頭部損壊のグロあり、血しぶきも辞さないバイオレンスシーンありなのでそんな現場にもひゅるっとかけつける監視官のユルさは視聴者側に安心を与える訳です。

常守監視官は友人を助けなかった役立たずという印象が強いですが、今回の監視官は逃げ腰ではないので安心感があります。

で、サイコパス3は1話1時間の全8話が決定しています。

今の所 Amazonプライムで1～4話まで配信。Amazon独占配信らしくこれまでをまとめたスペシャル動画が見れます。

半分は過ぎたものの全貌はまだ語られていません。

サイコパス1期ではシビュラシステムを全否定するマキシマが悪の主役でした。

2期ではシビュラシステムの脳の一部が腐っていると主張するカムイが主役でした。人を裁く法のほうがおかしいという内容でした。

カムイはシビュラに間違いを認めさせた上で相当なキャラなのですが、マキシマが主張するような「シビュラ不要論」ほどの強烈なインパクトはありませんでした。

放送終了後のキャラ人気も槇島狡噛がトップで 2期のキャラが食い込むことはありませんでした。

3期では大きく変えてきたのもうなずけます。3期ではこのようなメインの悪役がいません。ただ、シビュラシステムに犯罪者が挑戦をしかける。その犯罪者を公安が捕まえるという図式だけが同じです。

これは凄いことで人気キャラや女性に媚びたキャラで引っ張るアニメでは無くなったという感じです。「作品で引っ張るぜ」という感じがして良い。

PVにかかれている範囲でいうと、3期は自分が犯罪をする実行犯ではなくて、他の人に代理でさせるフィクサー的なポジションの悪役が3人います。

それに加えて刑事2人の家族が殺された未解決の事件も解決するストーリーになっています。

サイコパス3のテーマは個別の意思決定とそれを邪魔する集団的意識の問題があります。

例えばヤフー掲示板とか Youtubeのコメント欄でヘイトな意見に多数の「いいね」がついていたり、逆にまともな意見に「いいね」がつかない問題があったりして、おかしいなと思うアレです。

劇中でも移民というだけで存在を否定する中年男が出たりします。どんな意見でもそれを指示する集団があると、その範疇の意見も正しいと勘違いする。

そんな問題を描いています。

また人間よりもすぐれた知性を持つAIがあり、そのAIが大衆受けするセリフを考え、その指示する通りに美少女が喋って人気を集める。

そして結局はAIが操縦する美少女に誘導されるがまま大衆が操られていくというそんな極端な所を描いていきます。

「さすがにそれはないだろ」と思ってしまいますが、でも例えば Youtubeでおすすめ動画とかが出てきた時に再生数が多いとみんなが見ていると思って自分もチラッと見てしまう。

人がいいねを押しているとしょうもない意見でも迎合してしまう。そんな感じかもしれません。

サイコパスの悪役なら「それはもはや AIがあなたを支配していると言っても過言では有りませんね。」とか言ってきそう。

でもそういう今の微妙な問題に切り込んで「じゃあ人間性ってなに？」と突きつけてくるサイコパスって I.G.らしくていいなと思います。

攻殻が形を変えた感じがしますね。

「銃を撃つか撃たないかの判斷は最終的に自分がするんですよ そのために引き金がついているんですから」

っていうセリフはなかなかの名言だったりします。アニメにしか出来ないことをやっていて、実に良い。

3まで続いているのでサイコパス6くらいまでは行くんじゃないか、いや行ってほしいと思っています。