実際にイズミのシェーバーを使っていると、ツルツルによく剃れますが、その切れ味は他社と比べてどうなのか、よく分からないので、シェーバーのブレードについて他社製品と比較しながら調べてみました。結論からいえばP社と互角でした。B社は まだ分かりません。
イズミのシェーバーの「冷間圧延ステンレス鋼」とは?
イズミのシェーバーの内刃は「冷間圧延ステンレス鋼」なる素材が使われているそうですが、どんな素材なのかよく分からないので調べてみました。
薄くてよく切れる強靭な刃を鍛えるイズミの「圧延」とは
picture:日本クロス圧延
圧延というのは金属の板をローラーで伸ばして薄くする加工のやりかたです。圧延と似たような加工法に「鍛造」という工程があります。
時代劇などで刀鍛冶がカンカンと鉄を打って強くしているシーンを見たことがあるかもしれませんが、あれが鍛造です。
「鍛造」はハンマーで金属を叩いて鍛えるやり方です。圧延も「鍛造」と同じように、金属をローラーで圧縮することで、強度を強くしています。
冷間圧延で強度と薄さを整える
冷間圧延は「冷間」とあるので、冷凍庫みたいな所で金属を伸ばすのかなと思ったのですが、室温で金属を伸ばす工程です。
冷間圧延は、金属が硬いまま力を加えて伸ばすので、薄い材料を0.2mm以下に精度良く加工するのに向いています。
大量生産に向いてコストが抑えられる冷間圧延
この動画で加工している素材はアルミニウムなのですが、1つのローラーを使った原始的な冷間圧延です。大規模な工場のマシンでも原理は同じです。ただローラーを何台も通って、指定の薄さ、硬さになるまで金属を鍛えて圧延します。
冷間圧延は表面が酸化によって劣化しにくいので、表面が凸凹せず精密なブレードをつくる事が可能になります。基本は全自動で金属を伸ばしていくので大量生産に向いています。
シェーバーの切れ味について
IZUMI公式HP
イズミの刃の先端の半径は0.5μmで加工されています。一方 パナソニックの内刃は「ナノエッジ30°刃」ということで、刃先先端の半径は0.3μmです。
数値的には、パナソニックのほうが0.2μm分鋭さが上回っているように感じますが、髪の毛の薄さの1/300程しかないので、刃の鋭さに劇的な差はないと思います。
レビューの意見も割れています。ラムダッシュの方が剃れるという方もいらっしゃるし、いーやイズミのほうがよく剃れるという方もいらっしゃいます。
【ブレードの素材 パナソニック編】
ラムダッシュ内刃は「ステンレス刃物鋼」を鍛造しプレス加工で製造しているそうです。耐摩耗性が高いのを作れると書いてます。
しかし「ほーそうなのか、丈夫なんだな」と刃の交換時期を見てみるとイズミのブレードと全く同じなので がく然とします。耐久性も互角と見て良いと思われます。
各社の刃の交換時期はほぼ同じだけれど
価格はイズミが安いので、お金を節約できる
イズミ IZF-V86-R
交換推奨 外刃:約1年 2000円
内刃:約2年 873円
パナソニック ラムダッシュ ES-LV9B
交換推奨 外刃:約1年
内刃:約2年
一体型 6,195円
参考:ブラウン Series9
外刃・内刃一体型:約18ヶ月
13,300円
【モーターの比較】
画像:amazon
それではモーターはどうでしょうか。結論から言えばイズミの勝ちです。
ラムダッシュ5枚刃(ES-LV9B)のモーターは1分間に14000回転するそうです。一方イズミの4枚刃(IZF-V56)の回転数を、実測した所、通常モードで16000回転、ターボモードで約17000回転する事がわかりました。ターボを使うとラムダッシュと3000回転の差があるので、モーターだけ見ると、時間あたりの剃れる量はイズミのほうが上になります。
【外刃の比較】
最後に外刃です。これは似たようなものです。
肌に密着する外刃は各社薄さの限界に到達していて、イズミの外刃の厚みは52μmなので、肌に密着させると大体52μmの所で剃れます。
一方のラムダッシュのハイエンドモデル5枚刃(ES-LV9B)外刃は60μmと41μmの複合刃になっています。
ラムダッシュを肌に押し付けると理論上は41μmの深さで剃れますが、イズミとの差は約10μmなので肉眼では見えません。
【まとめ】高価格の他社シェーバーと実力は変わらない。
イズミの内刃・外刃・モーターをラムダッシュシリーズと比較しながら見てきましたが、モーター、外刃、内刃に大差はありません。
カスタマーの評価を見てみると
イズミの3枚刃 IZF-V26(2580円)の評価は4.2点(632件)
ラムダッシュの3枚刃ES-ST2P-K(6,720円)の評価も4.2点(205件)
です。価格差は大きいですが、カスタマーの評価にも差がありません。
他社製の替え刃より安いのに よく剃れる。
最初からこっちにしておけば良かったという意見もあります。
実際の口コミ
今まで、パナソニック6千円前後の商品を何台と使ってきました。
パナソニックの替え刃が1年半ごとに痛んできて、本体ごと購入してきました。
Amazonの書き込みを信じ、駄目もとでIZUMI VIDANシェーバーを購入しましたが、良い意味で期待を裏切られました。
剃り味、バッテリーの持ち、重さ、メンテナンス
すべて、パナソニックを上回っていました。 -Amazon–
単身赴任となりもう一台必要となったので購入しました。これまでパナのラムダッシュでしたが、あまり遜色無いのでは?と思います。替え刃程度の金額で買えるのに、意外と侮れないなというのが率直な感想です。-Amazon–
なぜ低価格でも こんなに剃れるのか。
私も最初は 安いからイズミの方がダメなんじゃないかと考えていたのですが全くの誤解でした。いえ、確かに高級感は乏しい。それは痛い所です。
しかしイズミは広告宣伝費をそれほどかけていません。家電雑誌を見ても他社のシェーバーはよく見ます、でも泉のものは滅多に見ない。品質と口コミで勝負しています。
戦略を見ても 徹底した自動化により人員を1/3に減らし、設備の面積を1/5に減らすなど、省スペースと自動化で大量生産した結果、低価格を実現しています。もちろんイメージも大事ですが、素材や中身の充実に特化してモノづくりをしていると言えます。
実際に外刃の製造特許数を見てみると 2017年4月の段階でイズミがパナソニックの30倍以上もあります。安い割によく剃れるというのは技術が下支えしています
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イズミの剃れ味 | 世界初のシェーバー | ||||||
シェーバーオイル | 2018 替刃 | メーカー | 新旧比較 |