Netflixの面白いアニメ作品①「キャロル&チューズデイ」【2019】

ビートルズは譜面がさっぱり読めなかったらしい。

メンバーで集って ギターを弾きまくって、自分たちのかっこいい音楽を探していったら あんなふうな名曲が産まれたという。

つまり音楽で大事なのは 譜面がよめるうんぬんよりは、一緒に音楽をやってくれるメンバーなのかもしれません。

ほいで このキャロル&チューズデーです。美少女+音楽で、ざっくりいってしまえば”火星版のけいおん”です。音楽でのし上がっていこうというアニメ。

普通 音楽で のし上がってやろうっていう奴は ピアスしてる、チャラい、貧乏、ベッキーを泣かせるの4拍子そろっていないといけないもんですが、

主人公の一人は全然違っていて 政治家の一人娘。そんなお嬢様がギブソンのアコースティックギター 一本もって アテもないまま メンバーを求めて家出をするのです。熱い。

©ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会

まるで いとうあさこが 熾烈なお笑い界を目指したように、このお嬢様も 自分の才能だけで 厳しい音楽業界に立ち向かっていこうとします。


00年台に入ってから歌謡曲というのは複雑化してしまって カラオケで歌いにくいものが増えました。ユニット数が多かったり、やたらメロディがこねくり回されたりで 歌っている本人以外は歌えねーじゃんと思ったりもします。

©ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会

それに音楽が産業化しすぎている所があって…

例えば
・視聴率が足りてないから全然関係ない人気バンドにOPを歌ってもらう
・ユニットのイメージを上げたいから 流行ってないのに無理やり賞をもらう
・全然興味ないけど 昔ヒットした曲を歌ったりして 人気化を狙う。

こうなるともう数式の世界だから反発したくもなります。

俺たちは人気プロデューサーが こねくりまわした音が聞きたいんじゃねぇ。

音楽さ 聞きてぇんだ(東北弁)と。

んで、詰まる所 音楽の価値なんてものは、造る側と聞く側にとって その音楽がどう響くのか、そこにあるんじゃないのか。

と、いうのがこのアニメの1つのメッセージなのである。

とはいえ いくら気持ちがあっても 一人では音楽は無理なので、主人公は 路上で歌う黒人の少女に出会って、意気投合してバンドを結成するわけである。若きジョン・レノンとポール牧である。人とも歌える才能と熱意はある、でも資金もなければコネも無いのが悩みである。

©ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会

 

一方でこの対極にあるのが アンジェラという若手女優。親が大物。美人で人気はあって金もあるけど、 歌唱力はポンコツ。歌は自分が注目を浴びるための1つの道具で、手段でしか無い。

敏腕プロデューサーに指導してもらえる立場にあるので 、いい曲をもらって人気になりたいと思っている。ちょうど主人公たちとは真反対にある。

一見アンジェラはワルにみえる。しかし実はアンジェラも単純な悪役ではない。

才能はないんだけど なんとか人気を得ようと頑張っているのである。

まるで「音楽界にはこういう境遇の人もいるよね。 親の七光りは相当有利だけど 期待を背負っている子も 勝負にさらされるわけだから 実は大変だよね。」というのを浮き彫りにしてくれる存在のようである。

このように 物語は音楽をテーマとして  この正反対2つの陣営を中心にしながらグルグルとまわっていく。それぞれが自分にとって音楽とはなんなのかに迫っていく。

サブキャラの描き方も丁寧である。

©ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会

・失策が続いて 酒浸りになった 元音楽プロデューサー。
・人気と実力と金はあるけど 性格はクズなDJ
・音楽業界の大物にコネがあって 顔が広い若手エンジニア。
・脳科学を音楽に活かそうとするイノベーター
・実力がないわが子を なんとか人気者にさせて成功させたい富裕層

それぞれの因子がつながり合って 一つの大きな物語になっている。

さて火星から地球を見てみると、今は産業が幅を利かせて 音楽がただの消費材というか 生産物と言うか 極端に曲がって 離れて行っちゃった側面があるというのは みんなが感じているところかもしれない。

そんな中で純粋に歌が好きだから歌う、誰かのために作り出される それがヒットするという好環境が地球にやってくるのはいつごろになるんだろうかと思ったわけです。


2019 アニメ配信 動画一覧表

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