週刊文春 5月6日・13日ゴールデンウィーク特大号に コロナウィルスに関連して 山中伸弥教授と池上彰さんの対談が載っていましたので 重要そうなところだけを紹介。
・コロナウィルスは2020年にD614Gという変異株が出てきて、従来型から一気にD614G型に置き換わった。そして 今度はイギリス型のN501Yという(感染力が1.5倍から2倍近く高いと言われている)変異株が入ってきている。
これからは日本でもN501Yが主流になるのは ほぼ間違いないと見られている。
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・ファイザーやモデルナのmRNAワクチンはN501Yに対しても従来型とさほど変わらない効果があるようだ。
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ワクチンを打ったらマスクをしなくてもいいか? → No。
山中先生によると “ワクチンを打った人も一定の感染予防は続けるべきだとは思うものの、ワクチンを打ったらしばらくの間はマスクを外す人が増えても感染がそれなりに落ち着くかも知れない
しかし 現在のワクチンで作られる免疫を乗り越えてしまう変異株が生まれた時は 一気に広がる危険がある、そうなると その変異株に有効なワクチンを再度接種しなければならない”
だそうです。つまり ワクチンを打つと 従来型やN501Y型に対する免疫ができるからマスクをしばらくは外してもいいだろうとのこと。
しかし,コロナウィルスは いつ変異するのか分からない。変異されたら ワクチンが効かない可能性が出てくる。再び感染するかも知れないので 結局 用心のためにマスクをしたほうが良いようだ。
コロナウィルスの変異がどのようなものかがわからない時は TED コロナウィルスとはなにか がアニメーションで解説されているのでオススメです。
コロナのワクチンが早急に実用化されたのは mRNAの技術
池上彰さんの話によると、 コロナのワクチンがこれだけ早く実用化されたのはハンガリー出身のカタリン・カリコ博士(wikipedia)が開発したメッセンジャー RNA (mRNA)の技術が元になっているからだそうだ。
ウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質の遺伝情報だけをコピーして 細胞内に投与しスパイクたんぱく質を作らせることで抗体を作るのが mRNA ワクチン。
ドイツのビオンテックとファイザーが共同開発したワクチンとモデルナのワクチンはこの方法で作られている。mRNA ワクチンは今回のコロナ騒動で初めて実用化された。
NHKが報道しているけれども アストラゼネカはウイルスベクターワクチンという種類でmRNAワクチンではありません。
カリコ博士の mRNA技術の応用でiPS 細胞を作成して注目を浴びたカナダの肝細胞生物学者がデリック・ロッシさん。ロッシさんがmRNAの技術を他の医学にも役立てようと考えて11年前に創業した会社がモデルナです。