[回答]光学式ゲーミングマウスは どのように動作しているの?(メカニズム)

光学式マウスの動作メカニズム

光学式マウスは、光電子センサー(低解像度のデジタルカメラ)を用いて、マウスが動作する表面の連続写真を撮ることで動作しています。

高性能な画像処理チップをマウス本体に内蔵することが可能になったため、 さまざまな材質の上で動きを検出できるようになっています。

Qtuo T16 gaming mouse

Qtuo T16 gaming mouse

これは 実際のゲーミングマウス(Qtuo T16)の内部写真です。

現在の光学式コンピューターマウスはCMOSイメージセンサーと各種チップで動いています。

その元となっている技術は、軍事産業が目標を追跡するために開発した「デジタル画像相関(digital image correlation)」と呼ばれる技術です。

光学式マウスは、マウスパッドや机の表面をイメージセンサーで撮影します。これらの素材は、LED(画像1)の光をレンズ(画像2)で屈折させ マウスパッドの表面を斜めに照らすわけです。

そうすると マウスパッド表面には夕日に照らされた丘のように 影ができます。

これらの表面の画像を イメージセンサー(画像3)連続して撮影し、相互に比較することで、マウスがどれだけ移動したかを検知します。

光学式ゲーミングマウスは どのように動作しているのか Qtuo T16 gaming mouse 

イメージセンサーは画像をデジタルシグナルプロセッサー(DSP)に送り解析、DSPは一連の画像の変化に基づいて、マウスがどのくらい移動したかを判断し、対応する座標をコンピューターに送信します。

コンピュータは、マウスから送られてきた座標をもとに、画面上のカーソルを動かします。
これを1秒間に125回から1000回繰り返すことで、カーソルが滑らかに動いているように見えます。

Awesome Anatomy of an Optical Mouse – Teardown and Hack

イメージセンサーから送られてくる映像はモノクロ。この方は実際にCMOSから送られる画像データを モニターに表示させています。17:50秒あたりです。

光学式マウスはなぜ赤色LEDを使用しているのですか?

周囲の明るさに関係なく反射する確率が高く、動きを検出しやすいためです。また、赤い色のダイオードは比較的安価で入手しやすいのも特徴です。

具体的に、センサーとはどのようなもの?

光学式ゲーミングマウス イメージセンサー Qtuo T16 gaming mouse 
有線マウスのフタをパカッと開けると、チップが真ん中に配置されています。まさにこれが ゲーミングマウスの心臓部です。

ここの型番を調べるだけで、トラッキングの性能は大体 見当がつきます。

980円マウスですが、Pixart社のワイヤレスマウス用のPAW3212DB-TJDTが使われていました。すごい。

光学式マウスセンサーは台湾Pixart社が大きなシェアを獲得しています。

PAWやPMWチップはCMOSセンサーだけでなく いろいろな部品が組み合わさったものです。

具体的には 画像取得システム(IAS)、デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)、LEDドライバーをパッケージに内蔵しています。

画像を撮影して、画像位置を特定して、データを送信する、またマウスの持ち上げ高さを測定したりします。

DPIは2つの意味が混同して使われている。

DPIの1つの意味は マウスを1インチ動かした時に どれだけのドット分動かすかという意味です。800dpiなら マウスを1インチうごかすと800ドット分動くというもの。

DPIのもう一つの意味は マウスセンサーの「読み取り解像度」です。dpiが高いほど 高解像度で、わずかな動きを読み取れるわけです。

具体的には、2020年のロジクールは「HERO 25K」というセンサーで最大解像度の25,600DPIを達成しています。1インチ(2.56センチ)を26500ドットに分割できるだけの能力があるということです。

HERO 25Kはマウスパッド表面にある わずか0.000001mの動きを読み取れる事を意味します。厳密に言えば1インチをどれくらい細かく 分割するかがDpiなので Dpiの値が大きいほどより細かく指示が送れることになります。

DPIが高ければいいかというとそうではありませんが、それは別ページに書いています。

IPS(インチ・パー・セカンド)って何?

誤動作速度とも呼ばれ、どれくらい マウスを高速に動かして ついていけるか という性能を意味します。980円マウスは30IPS(時速2.7kmまで対応)ですが、2万円クラスのロジクールGproは400IPS 時速36kmの動きを処理できるわけです。

マウスが一度に処理できる情報量は限られています。

旧型チップを搭載したマウスで 大きく高速な動きをさせると、コンピューターはそのトラッキング情報の全部を処理できません、そのため一部を 間引くわけです。

そうするとポーリングレートが遅くなるか、あるいはカーソルが指定の位置まで届かない可能性があります。

簡単にいいますとIPSの値が小さい場合は、10センチをスーッとゆっくり動かした場合と シュッと10センチ動かした場合でポインタの位置が違う現象が起きるわけですね。

Fps Eスポーツの大会では 瞬時に敵を撃つ速さが求められるので IPSの値は重要だったりします。

マウス加速度って何?

マウスの説明欄に書いてある加速度というのは、マウスの加速度をどれくらい正確に測定できるかというものです。単位はGです。最先端のマウスは50Gとか60Gとかがあります。

私も最初良く分からなかったのですが、加速度の良いマウスというのを テレビカメラのスタッフでたとえると、F1カーの動画を取る時に、F1カーは大体3.6秒で時速100キロに急加速します。0キロから100キロの加速の時に 途中経過を全部映せるカメラマンが50Gのマウス。

10Gマウスだと 最初しか撮れてないカメラマンみたいな感じです。マウスが急加速した時にセンサーが正確についていけるかどうかを表す指標なので重要です。

今の最先端センサーの性能はどんな感じ?

Pixart社のゲーミングマウス用の最先端チップがPMW3389です。Ipsは400、ネイティブ解像度は16000dpiです。

logitech社の GproゲーミングマウスHERO 16Kセンサーも16,000DPI 400IPS

SteelSeries Aerox 3 Wireless は 18,000CPI、400IPS

Razer社の Basilisk Ultimateは20000DPI、650IPSと さらに上を行っています。


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