前回は価格に比べて実際はどれくらいの速度が出るのかを調べましたが、好評につき
今回は「無線LANルーターの実際の速度は 箱に書かれてあるスペックを見ただけで大体分かるのか?」「それとも全然アテにならなくて 分からないのか」という疑問に取り組んでみました。
前回と同様 MONOQLO7月号の特集記事のデータを用いて、 パッケージに書いてある速度と実際の下りスピード(5GHz+2.4GHzのダウンロードの合計:Mbps)を打ち込んでみました。
メーカー | 型番 | パッケージ速度 | 実際の下りスピード |
Apple | AirMac Extreme | 1300 | 472 |
TP-Link | Archer C1200 | 1167 | 480 |
TP-Link | Archer C3150 | 3167 | 554 |
TP-Link | Archer C5400 | 5334 | 602 |
TP-Link | Archer C55 | 1166 | 178 |
TP-Link | Archer C9 | 1900 | 449 |
NEC | AternWG1200HP2 | 1167 | 460 |
NEC | AternWG1800HP2 | 1,750 | 442 |
NEC | AternWG1900HP | 1,900 | 527 |
NEC | AternWG2200HP | 2183 | 578 |
NEC | AternWG2600HP2 | 2533 | 526 |
NETGEAR | R7800 | 2533 | 607 |
NETGEAR | R8000 | 3200 | 432 |
NETGEAR | R8500 | 5332 | 654 |
ASUS | RT-AC1200HP | 1167 | 163 |
ASUS | RT-AC3200 | 3200 | 415 |
ASUS | RT-AC65U | 1300 | 655 |
ASUS | RT-AC85U | 1734 | 669 |
ASUS | RT-AC88U | 2167 | 546 |
バッファロー | WHR1166DHP | 1166 | 179 |
IODATA | WNAC1167R | 867 | 136 |
IODATA | WNAX1167GR | 867 | 487 |
IODATA | WNAX2033GR | 1733 | 625 |
IODATA | WNPR1167G | 867 | 462 |
IODATA | WNPR2600G | 1733 | 634 |
エレコム | WRC-1167GEBK | 1167 | 178 |
エレコム | WRC-1750GHBK | 1750 | 159 |
エレコム | WRC-1900GHBK | 1900 | 537 |
エレコム | WRC-2533GHBK2 | 2533 | 663 |
バッファロー | WSR-2533DHP | 2533 | 810 |
バッファロー | WXR-175XDHP2 | 1750 | 506 |
バッファロー | WXR-1900DHP | 1900 | 428 |
バッファロー | WXR-1900DHP3 | 1900 | 552 |
バッファロー | WXR-2533DHP | 2533 | 428 |
散布図はこんな感じです
結論:パッケージだけ見ても速度は全然分からない
上のグラフは横軸に 34台の無線LANルーターのパッケージに表示されているダウンロードスピード(Mbps)を 縦軸に実際の速度(3m離れた所で計測した5GHz+2GHzのダウンロード速度の合計値:Mbps)をとっています。
このようにパッケージのスピードは最大5500Mbpsくらいと書いてるのに、実際の速度は650Mbpsあたりと全然違っているのが分かります。予想がつくわけないです。
最大速度に対して実際の速度はこれくらい という比率もバラバラなので、新型が出てきた時にパッケージだけを見て実際の速度を当てるのはまず無理でしょう。
グラフで分かるように 公称が1000~2000Mbpsの商品でも、実際の速度は100~200Mbpsの商品もあれば400~500Mbps出る商品もあります。 なので電気店に行って とりあえずパッケージの速度の数値が高いものを買うという戦略は あまりいい作戦ではなさそうです。
安くていい無線LANルーターを見極める
実際の速度がパッケージと違うので、いいルーターを探すには実測値を調べないといけないようです。「家電批評」や「MONOQLO」「日経トレンディ」等の雑誌や、実際に使っている方のブログから実速を調べるとハズレを引く可能性が減ります
もちろん「私は忙しいから、そんな面倒なことはしておられん!」と思う方が殆どだと思います
身も蓋もない話ですが、そんな場合はECサイトのランキングで決めるのが速そうです。今回、ウェブサイトのおすすめ商品やランキングページを比較した結果、
価格の割に速度が出る無線LANルーターであるWSR-2533DHPはAmazon売上げランキングと価格コムランキングで上位1~2位に上がっていました。サイトがすごいというよりは普通にレビュワーさんに誠実な人が多いんだと思います。
ローエンドからミドルモデルに人気が集中する傾向はあるものの、ハズレを引く確率は減るのでかなり有効な戦略だと思います。サクラ投票やステマレビューで仮に1位になれたとしても 製品を数カ月使ってダメになったり 致命的な不具合がある場合は 複数のユーザーさんから☆1がつくので 上位は維持しずらいようです。
メーカーごとに見る無線LANルーターの印象
国内モデル
NEC…前回の記事でAtermシリーズはどれも価格の割に性能が高い商品でした。ほぼハズレがなく安心して無線LANが買えるメーカーだといえそうです。
BUFFALO…突出して速度が出る格安モデルもあるものの、製品Aは良いけど、製品Bは速度が出ないというように型番ごとのバラツキも大きい。
IO・DATA…価格の割に速度は速いが通信の安定性が悪いので、レビューでは☆3点台の評価をよく見かけます。ただ激安モデルの中にすごくいい機械(WN-G300R3など)をだしていたりするので、BUFFALOよりも ばらつきが大きく 選ぶのが難しい。
海外モデル
TP-LINK...深センや香港に拠点をもつ中華系メーカー。世界トップシェアの企業だけあって国内メーカーと比べて遜色ないレベルの速度が出ている。価格も低く通信も安定しているので、くやしいが これからシェアが拡大しそう。
ASUS…台湾拠点のメーカー。 利益を削り多額の開発費を使ってハイエンドモデルを多く投入している。最速のBUFFALOを脅かすのはここかもしれない。価格相応の速度が出るので、スペック的には悪くないしバラツキも少ないので人気も高い。
ただRT-AC65Uは海外のAmazonでは送料込み72ドルであるが、日本では12000円位で販売している。ASUSが悪いわけではないが 受給の具合によって こうした価格差のあるモデルも あるので注意が必要なようです。