2020年11月に発売されて以来、全く見かけないPlaystation5。このマシンのGPUはPCだとどれくらいかと聞かれて、調べ始めたら 難しかった。
比較が難しい理由
PS5のGPUはゲーム用にカスタムしているので比較が難しいわけです。 1440pに対応させるために メモリを16GB積んでいる。バス幅(一度の伝送で同時に送れるデータ量)も太くしてあります。
描画性能で一番近いのが AMDの6600XTでした。エヌビディアですとRTX 2060 Superでは勝てない。RTX 3060が20%くらい描画性能は上回る感じ。でも どちらもVRAMが12GBと8GBしか無いので 1440pは苦しい。
項目 | RTX 2060 Super | RX 6600 XT | PS5 | RTX 3060 | RX 6700 |
アーキテクチャ | Turing | RDNA 2 | RDNA 2 | Ampere | RDNA 2 |
プロセスノード | (12nm) | (7nm) | (7nm) | (8nm) | (7nm) |
TFLOPS | 7.2 | 10.6 | 10.28 | 12.7 | 12.4 |
VRAM | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 16GB GDDR6 (共有) | 12GB GDDR6 | 10GB GDDR6 |
メモリ帯域幅 | 448GB/s (256bit, 14Gbps) | 256GB/s (128bit, 16Gbps) | 448GB/s (256bit, 14Gbps) | 360GB/s (192bit, 15Gbps) | 384GB/s (192bit, 16Gbps) |
レイトレーシング | 対応(第1世代) | 対応 | 対応 | 対応(第2世代) | 対応 |
4K性能 | 4K/30fps(設定調整必要) | 4K/30~60fps(設定調整) | 4K/30~60fps(最適化依存) | 4K/30~60fps(DLSS使用) | 4K/30~60fps(設定調整) |
価格(2025年目安) | – | 約5~6万円 | 本体約8万円 | 約4~5万円 | 約9~10万円 |
実際に1080pでの比較動画を見てみると、ほぼほぼRX 6600XTが上回っています。
PS5の強みは1440p対応のGPUとしては 安いという所で、1080pモニターで遊ぶ分には 6600XTと互角という結論です。
techpowerup.comというGPUに詳しいサイトを見ると、GPUの性能比較が分かりやすい。
描画性能でいくとPS5は RX6600XTのちょっと下あたり、PS5が欲しい場合は6600XT以上のマシンを組まれると(1080pならば)PS5よりちょっと上の環境で遊べるでしょう。
ちなみに1440pにも対応となると RX6700XT(7万円相当)が必要になるので、コストパフォーマンスの面ではPS5は依然最強で、PCは勝てません。
なんでPS5が最強なのか。
PS5は AMDと一緒にゲームに特化した 基盤を開発しました。GPU、CPU、メモリコントローラーがマザーボードに全部乗っかって出てくるみたいなイメージです。設計のプロが 冷却、電源、筐体を選ぶので無駄がありません。その上 何千万台というレベルで発注するので、チップ単価が安くなります。
さらにソフト(30%ライセンス料)やサブスクPS Plus(年約6000円)の利益から本体を割り引く (モンハンが世界で400万本売れて 製造コストを補填する)ので 勝てないというわけです。
エヌビディアやAMDは多様なモデル(VRAM容量やクロック違い)で生産するから 1モデルごとの生産量が少なく 単価は高くなります。同じ性能のPCを作るならドル円140-150の環境では 12万円はかかります。ゲームだけをやるならPS5が最強なわけです。