【感想】98点。セトウツミは雑談力を上げるバイブル。【漫画】

セトウツミは 実用度の高い おしゃべり教材だ と気づいたのは 最近になってのことだった。

絵も上手いが セリフがもっとうまい。べしゃり暮らしよりもステージが不自然ではないし、力技で泣かせにも来ない。

セトウツミ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

雑談と ともにあれ

自慢ではないが、私は話が続かないタイプだ。

バス停とかで隣に新垣結衣がヒザに座ってきたら赤面のまま「あのっ」って言って そのまま地蔵になると思う。

せっかくのチャンスが来ても棒にふってしまう、なんとももったいない話だ。

話の続くやつだったら 好きな俳優とか、嫌いな女優、セクハラしてきた奴とか 彼氏が何人いるとか いま何時か とか いろいろ聞けるはずだ。

話下手すぎて損の多い人生を送ってきました。

しかし世の中には雑談の上手いやつがいる。和製のボブ・マーリーみたいな顔の 友達に言わせれば トークも恋愛も 準備次第だという。

いうなれば、マクドナルドの新人が メニューを切らさないようにせっせと補充するように、ストックが無いと話せないらしいのだ。

もちろん ストックの種類が少ないと 相手に合わせてフライドポテトしか出せないような状態になる。俺だ。それだと3分も もたない。

たまにベーコントマトバーガーとか、チキンマックナゲットとかを出せれば最高だ。

セトウツミは メニューの種類が多くてうらやましい。

会話をそのままパクっていけばバリエーションが広がって 会話が勝手に面白くなる。こんなありがたい話があるだろうか。

そんで、ガッキーとうまく雑談でユニットできたら  「あいつええやん!」となって、人生の98%は成功したようなもんだ。まぁ最悪ワッキーでもいい。

セトウツミは楽しい おしゃべりの教科書だと言っても良い。気がついたら 二人が何に目を向け どんな会話を展開するかに夢中になっている。

雑談が下手で女の子とも喋れない、気がついたら いつもぼっち、メガネの人としか友達にならない。という場合は しゃべりを改善する麻薬として セトウツミを手にとったほうが速い。

人生を変えるバイブルになるぞ。きっと。

コツは漫画みて 閉じて 何もみずに会話を思い出してノートに移すだけだ。

それだけで 会話が確実に変わる。

「相談があるんだけど」

「なに?」

「好きな子にメールする時の1回目ってどんなのがいいかな?」

「当たり障りのない感じでいいんじゃない?」

「ちょっと 未送信で止めてるメール 見てくれる?」

恐ろしく 自然だ。

ノリの良さそうな相手なら初対面でも使えそうな気がする。

セトウツミの主人公二人は リアルの世界のどこかに存在している二人の会話をそのまま持ってきているようなリアルさがある。ゆえに実用性が高い。

宮藤官九郎は 喫茶店に行っては 女子高生たちやらおばちゃんたちの会話を聞いて おもしろかった会話をそのままとりこむらしい。ほぼ変態だ。

いや、マグロを活きの良いまま もってくる漁師に似ている。

作者の人にあったことはないけど セトウツミからも宮藤官九郎と似た魂を感じる。

セリフの一つ一つがストーリーをすすめるための道具ではなく 生きている感じがする。

また 主人公 二人の関係性もとてもいい。ヘタレで陽キャな瀬戸と冷静で陰キャな内海。

突き放すでもなく 寄りそうでもない。ハリネズミで言うと ハリがあたらないくらいの間合いが保たれている。

レビューの中には 派手さが無いから面白みにかけるというものがあるが、たしかにそうだ。

まぁでもセトウツミの場合は 内輪だけで成立しているような 汎用的な笑いではない。

著名人もいらないし、セットも要らない。普通の人が ただ面白いことを言っている。一般人でも 雑談で笑いを生み出せる。そこが凄い。

「男らしさとか考えたら1週回ってコレがええかなって」

セトウツミの後継作がAmazonでやっているオッドタクシー  これは主人公が動物だけれども 会話の面白さは変わっていない。


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