【読書感想】経済戦争としての本能寺の変 「そりゃ信長は討たれてもしょうがないという話」

経済戦争 としての 本能寺の変 (サンエイ新書)

Kindle Unlimitedにもいい本はあるんですね。薄い本ばっかりじゃなくて たまにはマジメに探してみるもんだと思いました。

お金の流れを知り尽くした 大村 大次郎先生の最新巻。名前を見るたびに大村益次郎と大石大二郎を思い出します。たぶん顔見知りでは無いでしょう。

いやーおもしろかった。大河ドラマ「麒麟が来る」でおなじみの明智光秀だけれども、本能寺の変には 経済的な利害が背景にあったんだよというお話。

「敵は本能寺にあり」と言うまでの経緯が見えましたね。

で、信長っていうのは 愛知県西の豪族(ヤ○ザ)だったわけですけど、なんであんなに勢力が拡大したのかと言うと、実力のある人に報酬を与えたからですね。

家柄はあまり関係なくて 成果を出した部下に 領土をバンバン与えてたと。だからサルも光秀も急成長できたわけです。

今で言う岐阜県を攻め落とし三重県と滋賀県にドロップキックして、京都に殴り込んだわけですよ。

信長が京を取ったのは良かったけれども 京の警備とかでお金がなくなってくるわけです、そんなわけで 部下とかいままで使えてくれた社員に対して締め付けをしだすわけです。

信長は どんな風に部下に領地を分け与えていたのか?
信長は 戦が終わると 活躍した部下に「頑張ったね」って言って領土を与えるわけです。でも与えたと言っても、まだ土地を支配している地元の豪族(ヤク○)とかがいっぱいいるわけです。その地元のヤクザを制圧して綺麗にするわけです。

で、光秀も 今で言う滋賀県あたりをもらって、綺麗にしたわけです。そして綺麗にした所で信長が…という最悪の展開です。

もう中国地方を攻めるあたりから 信長は一気にクソ上司になっていきます。

anan元禄号があったら 上司にしたくないランキング上位に信長と和田アキ子が並ぶんじゃないかと思います。

このあたり 詳しくは本書をご覧になっていただきたい。

こうした経緯を見ていくていくと 裏切り者のレッテルを貼られた光秀というのは 非常に気の毒だなと思います。

ブラック企業の社長は 焼き討ちしても無罪という法律があったら ブラック企業も半分くらいに減ると思いますけども。

そりゃ謀反もする

今まで 光秀というのは どちらかと言えば 頭だけ使って 後ろで指揮する名参謀みたいなイメージだったけれども、実際は前線に出て、比叡山は焼くわ、築城はするわ、豪族は鎮圧するわ、工作はするわで 行動力も判断力も群を抜いています。ほぼノーミス。

フワちゃんみたいにアクティブな武将だったみたい。間違いなく名将でしょう。

最後に失敗しただけで評価が下がるんだから 気の毒すぎる。

なんにせよ本能寺の変は 起こるべくして起こったんだと、そういうイメージが湧きました。

麒麟が来るもそうだけれども、光秀は 見直されるべき武将の一人なんじゃないかと思いますね。最後が竹槍で 本能寺の前にさらし首っていうのは あまりにもかわいそうに見えます

信長は織田家の力を蓄えるために、部下からの収奪や財務の転換を急ぎすぎた。その結果、光秀が革命を起こすなら 力を削がれる前の 今しかないと判断してしまった。

それが本能寺の変だったと。

光秀の状況判断はあたっていたのではないかと思います。

信長は重臣でもいちゃもんつけて追放していたし、光秀が そのままマジメに付き従っていても いずれはどこかで ポアされていたんじゃなかろうかと思います。

どうやったら光秀の野望は成功していたんだろうかと ふと考えてしまいました。信長を討ったあたりで失速した感がありますが、せめてサルくらいは道連れにしていても 問題は無かったように思います。

日本って革命が成功した例って明治維新くらいで、なかなか成功しない国のような気がしますね。

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