形容詞は便利だが 多用すると表現力が落ちるそうな 形容詞を使わない 大人の文章表現力 【感想】

文章の表現力を もりもりに増やしたい

レビューやSNSで投稿するときに「~がかわいかった」「~が面白かった」「~がうまかった」という 小学生みたいな感想文を書いてしまう事があります。

さすがに ちょっと表現力があったほうがいいんじゃないかと思って手にとったのが、国語研究所教授の石黒さんが書かれたこの ”形容詞を使わない~”という本。

どのように表現すれば、豊かな文章に修正できるのかというコツが書かれていました。

本の内容を書くと著作権法に触れるので、 本に沿いつつ考えたことをまとめます。

形容詞は便利だけれど 使うと表現力が落ちる

「かわいい」「すごい」「うまい」「やばい」などの形容詞は 便利なので日常でよく使うのですが、そればかり使っていると 語彙も貧弱、思考も大雑把になってしまいます。

「かわいい」も「すごい」も時間がない時に説明を省略したり、「やだ奥さん かわいいー」など共感を表すときには便利ですが、物事を細かく伝えるときには伝わりづらいというデメリットがあります。

例えば

・ダルビッシュすごい
・羽生くん尊い

を見ていきましょう。

二人とも すごいのは分かるけれども、この文だと 話し手が何をすごい・尊いと思っているのかはイマイチ伝わってきません。

こんな風に言い換えてみましょう。

・ダルビッシュの体脂肪は12%を下回らないように管理されている所がすごい。

・羽生くんは連続ジャンプの後の着氷が美しい

このように限定すると 前よりもイメージが伝わります。

すごいと思ったのには理由があるわけで、その理由を詳しく書いていくと より伝わりやすくなるようです。少なくともどこに注目したのかというのが分かります。

TLDR:形容詞を別の表現に言い換えるだけで より限定的になるので 伝わりやすくなる


やばいを言い換える。

同様に「やばい」を使いすぎると 周りに出川哲朗じゃないかと疑われてしまいます。

エクササイズとして「やばい」を使わない表現をしてみましょう
「やばい」を別の言葉で置き換えます

今 部長やばい→ 今 部長が怒っています

このケーキ マジやばい→このケーキはとてもおいしい。

今週テストまじやばい→今週のテストは自信がない

8連勤はやばい。→8連勤は私の心身に悪影響を及ぼします。

形容詞は状況を細かく説明しなくていいので、多用しがちですが、利用すると語彙が貧弱になっていく宿命です。

物事を省略して伝える形容詞はネットとも相性が良いのですが、あえて形容詞を極力避けることで表現力や思考力が磨かれます。

少し意識が変わるだけですが、まじやばい(非常に効果的)ですね。

この本は全9章からなり ここからが生活に役立つので 是非どうぞ。

個人的には第8章 「くだらない つまらないの不快さを避ける」という章は読み返したい部分です。

「つまらない」という否定的な言葉は 時に人を傷つけて、巡り巡って自分が損をするので、このキツい表現をどのように置き換えるかという技が役に立ちました。

ネットでも「この作品はつまらかった」と全否定する人は多いですが、このような考え方だと結構損をします。

つまらなさの箇所を限定することで、どの部分がつまらなく感じたのか、面白かったのはどこかという風に、白か黒かという考え方から 一歩上に行けます。非常に効果の高い一冊です。

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