東大卒の著者 谷川さんが勉強法に関するTipsと子育てに関する知見をまとめた本(賢者の勉強技術)。
受験に苦しむ学生が読んでもいいけれど、勉強法に関しては 私みたいな全然学生ではない人が読んでも楽しめた。
特に子育てで悩む保護者の方が読むとご利益があると思う。「勉強好きな子に育てるには~」みたいなヒントが載っている。
専門用語は出てこないのでサクサク読める。ゲームでもなんでもそうだけれど、その道を極めた人の話は 「ああ そっか」という発見が面白いと思う。以下 個人的に面白かった所。
宿題は早く終わったほうが良い
日本では長時間頑張って勉強している人が褒められがちだけれど実際は宿題を10分で片付けるこの方が頑張ってたりする。努力でアピールはキツい。楽して無理なく成績上げたほうが人生は楽しい。
テストは確認するためのもの
テストは授業で話したところの確認をするために行う。間違ってたらああ間違ってたんだなーという風に確認すればOK。
テストで出されるところは 本質的なところだけ
学校の先生は「ここは外しちゃダメだ」という重要ポイントをテストに出す、 そして 出題範囲の中からまんべんなく出すのでそこから逆算してバランスよく勉強しておけば点は取れる。
勉強量ではなく勉強効率を上げた方が良い
1を聞いて1を忘れる。できない子の場合は 勉強の効率を上げるしかない。
「とりあえず頑張る」だと負けるので、どうやったら短時間で成績が上がるのかということを意識した方が良い。
間違っても猛勉強して1日16時間勉強するみたいな努力至上主義にならない方が幸せになる。
人間1日24時間しか持っていないのだからそうでないと頭の良い子に 一生追いつけないし、ワンチャンない。
どうやったら子供は勝手に自分で勉強するようになるのか
鉄則:スグホメろ。
テレビゲームはちょっとでもいいところがあると報酬が出る。これと一緒でこまめに褒めないと人間はやる気が出ない
正解出したらすぐ褒める。間違ってたらすぐに訂正する。小さい子供ほどできたらすぐ褒めるというのをやった方が良い。さんまちゃんみたいな反射神経でホメる。
自分で決める子に育てるには
人間は押し付けられた目標に対してはやる気を出さないけど自分が目標を決めると達成しやすい。
目標の決め方は自分が嬉しいかどうか。そしてできるだけ短時間で達成できるかどうかが重要。大きな目標は達成しづらいので、逆算して、そこにいく途中の目標を設定する。
スーパーマリオでたとえると、いきなりクリアを目標とするんじゃなくて、ワールド2まで進むとか。そういう風に細かく目標を設定するように持っていったほうがいい。そしたらワールド3まで頑張ろうとなる。
簡単すぎるとやる気が出ない。難しすぎてもやる気が出ない。「自分が達成したら嬉しいか」どうかがちょうどいい高さ。これも子供が自分で立てないと効果は薄い。
勉強とはなんぞや
勉強は相手が何を言いたいかということを分かってあげること。暗記大会ではない。これが本当の勉強するということ。
アインシュタインとかニュートンとかの考え方は興味もないかもしれないけれども 相手がどういうことがいいたいかというのをわかってあげるのが勉強。
叱りや説教は無駄。
否定的な言葉ばかり使っていると最初から相手の話を聞かなくなってしまう。相手の話を理解する「勉強」とは最も遠いところに行ってしまう
ヤフー掲示板では 文句・ヘイトが集まるので、最初から見ないのと同じやね。
子育ての4法則
子供の言うことをちゃんと聞く。
子供が設定する目標の設定を手伝う。
肯定的な言葉を使う
否定的な言葉は 全部ゴミ。捨てる
答え合わせの5法則
1.答え合わせはすぐにやる
2.間違えたところは消さない。自分が間違えたパターンを認識しないといけない
3.分からない所に時間をかけすぎない
分からないところが見つかったらすぐに回答を見る。そして内容を理解するのに時間をかけたほうがいい。60秒考えて出てこなかったら、すぐに回答見たほうが早い。考え込むのはあまりいい勉強法ではない。効率が悪くなって時間の効率が悪くなる
4.問題に○Xをつける
問題に○Xをつけることによって自分がわからなかったところがわかる
5.Xが多いほど喜ぶ。Xは伸びしろ。
どれだけ覚えないかが重要
距離は速さかけるの時間というのを覚えておけば速さや時間を式変形して作り出すことができる。どれだけ覚えたかではなくて、どれだけ覚えないかが重要だったりする。
教科書とプリントと資料集を持たされたら
覚えるならこのうちのどれか一つだけで良い。人間の記憶力は大差ないので成績の良い子はいっぱい覚えている訳じゃなくてテストに出るところだけ覚えている。そして一つの法則からいろんな話を作っている。
予習は効率が悪い
予習あらかじめ教科書を事前に読んでおいて自分はどの辺がよくわからないのかというのは明らかにしておくために行う活動なんだけれども非常に効率が悪い。 予習で内容が分かれば授業を受ける必要がないから
予習よりも復習に時間かけた方が良い
勉強の本質と効率のあげ方
勉強の目的というのは相手の言いたいことをわかってあげるということで、その相手が言いたいことをわかったかどうかというのはつまりどういうことかというのを自分で表現できれば良い。
勉強の最後に、つまりはどういうことかという質問をして、考えをまとめる作業をすると効率が良くなる
・今回勉強したことの重要ポイントは何か
・今回勉強したことをまとめると?勉強のあとにこれを考える
谷川さんの本は今の所2冊しか無いです。こっちはプレイヤー向きで面白い。賢さとは、具体と抽象の往復運動。一つの例から 応用を効かせる感覚がなんとなく分かります。
いい本の著者は かなり寡作なことが多かったりするので発見も難しいのですが、こういう一生使える良い本に当たったときは かなり嬉しかったりします。