梅原大吾 「勝ち続ける意志力」 の感想 「変化こそ強さ」

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)

梅原大吾って どんな人?
格闘ゲームのプロゲーマー(現役) 


どんな内容?

第1章 プロゲーマーになる前の話
第2章 毎日やっていること。
第3章 ゲームを職業にするまでのいきさつの紹介
第4章 目標を持つことはいいことか?
第5章 プロになれたのは偶然の産物という話


特に面白いのは?

第2章と第4章。 語っていることは 勝負論感想)とほぼ同じ内容。物事に対して どうやって取り組むかの所は 子供の時から ぶれていない。

一旦ゲームの世界を離れて 麻雀、それから介護職 再び 格闘ゲームの世界に戻った経緯についても語られている。

面白かった部分

なぜサルマネは伸びないのか。
他人が見つけた強い手を、意味も理解せずに そのまま使う人がいる。当然 強い手だから その後の一定期間は成績が伸びるんだけれども、そんな事してたら いずれは没落する。

なぜその手が有効なのか、違う局面ではどうするか、 返し技はあるのかは考えない。その技が機能しなくなれば、また 他人が開発してくれるのを待つだけになる。 局面に応じて自力で判断する努力をしないから イレギュラーな敵の動きには対応できない。

相手の弱点をついて勝っても 真の強さとは言えない

相手がどんな手を打ってくるのか わかっていれば 弱点をつくことは出来る。ただ そのやり方で勝ったとしても、ほかの相手には効かない。総合力も上がらない。卓球で言えば、左手の使い方が甘いプレイヤーに対して 左側を攻めれば勝つのは容易。だが楽して勝っても 自身の成長がない、 なので敢えて右側を攻めて 難しい相手と戦ったほうが 超えなければならない壁は高く得るものが多い。

ダメだったら 上手くいくまで手を変え品を変える

あの手がダメだったら この手、この手もダメだったら次の手。それがうまくいったら とりあえず軸にして、他の手を探すというパターン。できる事を片っ端から試していく。スミからスミまで潰していく。どれが良くてどれがダメかを先入観で判断しない。全数検索を行う。すべての方向を探り尽くすので どこかで必ず正解が出るというやり方。正解がありそうな方向はわかるが ラクをしない。

成果はパクられても どうやって成果を出したのかはパクられない

自分で編み出した技は他の選手にも使われることになる、それはしょうがない。いずれは真似されるし 陳腐化するのも見越して 次の手を試す。このやり方さえやれば勝てるというものはない。せっかく開発してもパクられるけれども 発見・開発するノウハウは残る

成果と、そこに至るまでのプロセスは大切。

変化しないと負けだと思ってる

日本では失敗が許されない風潮だが、変化を受け入れて新しくいしていかないと未来はない。うまく行っている時は 変える事など良くないと思いがちだ。だけど新しく試して、それがダメだとしても、それはもう試さなくていいという経験が手に入る。確実に前よりも前進する。変化して失敗だったのなら、また変化すればいい。

変化 を 続け て いれ ば、 きっと 正しい こと が 見つかる。 また、 正しく ない こと が 見つかれ ば、 その 反対 が 正しい こと だ と 分かる。 だから、 前 へ 進める。   成長 という のは、 とにも かく にも 同じ 場所 に い ない こと で 促進 さ れる。

人は なぜチャレンジをやめるのか

類似:成功の反対は失敗ではなく「やらないこと」だ

結局、型にはまってしまうのは、失敗を避け、有名になりたいとか、目立ちたいとか、誰かに認めてもらいたいと願う欲望ではないだろうか。そして、結局はその欲望が自分自身を委縮させてしまうのだ。 そんなわけでいまは、若い頃と同じように戦うことを心掛けている。そして、結果にこだわらず、日々の成長に喜びを見出せるようになってからは、若い頃のような健全さが戻ってきたと感じる。

梅原大吾. 勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書) (Kindle の位置No.1265-1269). 小学館. Kindle 版.

上達しない人は なぜ上達しないのか 

漠然と上達したいとか考えていても、上達しているのかいないのか分からなくなる。

例えば 算数が得意になりたいと思っても、実際にやるのは足し算や引き算。小分けにして覚えていったはず。

人間は放っといたらすぐに漠然と考えてしまう「野球がうまくなりたい」「モノマネがうまくなりたい。」でも 実際は そのジャンルの 小さな所からコツコツとおぼえていくしか無い。いきなり微分は無理。自分ができる部分とわかっていない部分を 細かく分類して、 成長に合わせて 指標を決めないといけない。

ゲームの場合、攻撃を空振りするんだったら どういう時に当たらないのか 原因は何なのか、どういう練習、改善ができるのかを考える。こういう 小さな改善を重ねるしか無い

いくつになっても失敗するのは 当たり前

年を重ねると背負うものが多くなる。そうすると、失敗したときすべてを失ってしまうかのような不安がつきまとい、次の失敗を恐れる気持ちも大きくなってしまう。 若いうちから失敗癖をつけておけば、トライ&エラーが当たり前の習慣になる。失敗に強くなる。 進んで失敗する必要はないし、毎回のように失敗する必要もない。しかし、失敗から学べること、失敗からしか学べないことがあることは知っておいた方がいい。どん底から立ち直った人間は、顔つきが違う。

毎日 改善するのがチャンピオンへの道

梅原さんは 工夫と改善を繰り返してチャンピオンになったようだ。

例えば 女の子にフラれたとしても、なんで振られたのか、相手の機嫌が悪かったのか、タイミングが悪かったのか、自分のどこかに問題があったのか、それとも他に原因があったのかなどなど いろいろ調べて仮設を立てて 「ああ これだとうまくいくんだ」という攻略法を見つけるのが好きなのかもしれない。

本文中には 今まで どういう取り組みをしてきたのかが垣間見える一節がある。

30 分の 1 秒 以内 に 入力 し なけれ ば 無効 に なっ て しまう コマンド を、 99% ミス なし で できる レベル を 維持 する 努力 を 続け て き た。

誰に言われるでもなく そういう事をできる集中力と忍耐力がすごい。排水の逆転劇の時も 周りの音が聞こえていなかったそうだから 、やっぱり 没頭すると周りが見えなくなるみたいだ。 そういう集中力の話を聞いてみたい。

ウメハラさんの言葉はイチローの言葉と被るところがある。

小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ1つの道だと思っています。

ウメハラのブロッキング動画は話題になったけれども 本当に大切なのは それを安定して出来るようになるまでに 彼がどれだけ努力を重ねたか というのを想像する所かもしれない。

梅原大吾 「勝負論」感想「負けから学べば これ即ち無敵」

勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)
梅原大吾 | 2012/10/26

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ゲームファンから「神」と崇められ、「世界一長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネスブックに認定されている伝説のゲーマー・梅原大吾が、初めて熱い想いを語る。

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