10年くらいたつと事件のつながりがよく分からなくなるので 一般人の視点で今まとめてみたいという自分用メモみたいな感じです。 デジタル情報は消えていくものもあるので 忘れちゃいけないアーカイブとして残したいというのもあります。
事件発生~デモ・暴動に発展
2020年5月25日 米ミネソタ州ミネアポリスで白人のデレック・チョーヴィン元警官は、「息ができない」と叫ぶ黒人ジョージ・フロイドさん(46)の首を約9分間膝で押さえつけ死亡させた。
通りかかった通行人が拘束の模様を撮影し Facebook livestreamに投稿して大騒ぎとなる。
26日 チョーヴィン元警官と その場にいた他の警官3人は解雇された。ふつうは 調査で半年から1年かかるが たった1日で解雇される異例の事態だった。
26日 ミネアポリスで抗議活動が始まる。少数の抗議者が 窓ガラスを割ったりパトカーを破壊したため 警官が出動。
27日夜~28日 ミネアポリス一部のエリア抗議活動が暴徒化する。
28日夜 ミネアポリスでは 3日間抗議が続いていたが 警察署の1つに火がつけられる。
29日ジョージ・フロイド元警官は起訴・逮捕された。(第3級殺人罪)
29日夜、首都ワシントンのホワイトハウスの周りでは、参加者が「息ができない」と叫ぶ抗議が続き、シークレットサービスはホワイトハウスへの出入りを禁止した
29日午後8時から30日午前6時まで、ミネアポリスと隣町セントポールでは外出が禁止された。
30日 特に規模が大きい12の州(ミネアポリス、ロサンゼルス、シカゴ…)でナショナルガードが要請された。
6月1日 抗議活動 分布マップ
Protests have erupted in at least 140 cities across the United States over racism and police brutality. Some of the demonstrations have turned violent, prompting the activation of the National Guard in at least 21 states. https://t.co/IgDntKt02K pic.twitter.com/srpBanf3dS
— The New York Times (@nytimes) June 1, 2020
抗議活動は140都市で発生。黄色い州で州兵が出動した。
事件後 トランプのTwitter
「これほど大勢が平和的に抗議しているのに、略奪者たちがその声をかき消すのを許してはならない」
5月29日
「偉大なアメリカの地ミネアポリスで起こっているこの事態を黙ってみているわけにはいかない。リーダーシップの欠如だ。民主党 左翼急進派の市長ジェイコブ・フレイが市をコントロール下に置けないのであれば 私が州兵を送り込んで 物事を正してやる。」
「これらのチンピラ共はジョージフロイドの思い出を汚している。それは私がさせない。ワルツ州知事と さっき話をして軍は最後まで一緒にいると伝えた。どんな困難でも私たちはコントロールするが、略奪が始まれば銃撃も辞さない。」
After stoking the fires of white supremacy and racism your entire presidency, you have the nerve to feign moral superiority before threatening violence? ‘When the looting starts the shooting starts’??? We will vote you out in November. @realdonaldtrump
— Taylor Swift (@taylorswift13) May 29, 2020
5月30日 テイラー・スイフトの反撃
「ずっと白人優越主義と差別主義を焚き付けておきながら 暴力を振るう前に モラルの上でも上回ってるふりをするわけ? 略奪が始まれば、銃撃も辞さない??? 11月の選挙では あんたを落としてやる。」
5月30日 テイラー・スイフトに対する苦しい言い訳
「略奪は銃撃をひきおこす。だからミネアポリスで水曜日の深夜に男が撃たれた。もしくはルイスビルで7人が撃たれたのを見てくれ。私はこんな事が起こってほしくない。それが昨日の夜にいいたかったことだ。」
「事実としていった。宣言ではない。単純な話だ。ヘイターとかSNSで問題を起こそうとしているようなヤツ以外なら なんの問題もなく理解できるだろう。ジョージフロイドを敬う。」
5月30日 暴動発生中にスペースX社のロケット打ち上げに参列
マイク・ペンスのツイートをリツイート
”今日は宇宙における3年半のリーダーシップの集大成。 私たちの宇宙飛行士の勇気、 NASAとSpaceXの創意工夫、アメリカ人の支援とトランプ大統領のビジョンとリーダーシップへの賛辞です。”
収拾がつかなくなるなんてことは絶対にない。悪いことと言えばワシントン市長
ミリエル・ボーザーがいつも 金と支援をもとめてくるばかりでDCの市警を使わないことだ。彼らの仕事ではないらしい。結構なことだ。
5月31日 民主党叩き
州兵は民主党の市長ができなかった仕事をするためにミネアポリスに展開した。 2日前にやるべきはずだった、そうすれば損害は出なかっただろうし、警察本部も乗っ取られることは無かっただろう。 国家警備隊はグッジョブだ。 ノーゲーム!
所感
BLACK LIVES MATTER (黒人の命も大切だ)
I CANT BREATH(息ができない)
ATTACK AGAINST ONE IS ATTACK AGAINST ALL(個人への攻撃はみんなへの攻撃だ)
NO JUSTOCE NO PEACE(正義がないなら平和はない)
今回 白人警官が黒人を一方的に暴行したのは30年前のロサンゼルス暴動のきっかけになった ロドニー・キング暴行事件とほぼ変わらない。
現在もアメリカのいたる所で 黒人差別は根強く存在していて、あまり意識は変わっていないように見える。
ただ、30年前のロサンゼルス暴動で逮捕されたのは黒人とヒスパニックがそれぞれ40%程度といわれているが、今回の暴動では暴徒化している人の中に白人の姿も見える。
ニューヨーク ブルックリンでの警官隊との衝突。パトカーを三角コーンで殴ろうとしているのは白人女性。特に黒人男性は白人と違って武器を持っている場合 すぐに逮捕されるか 撃ち殺されてしまうので 目立った動きは出来ないらしい。
最初は冷静な 抗議活動でも 熱を帯びてくると 良くわからない行動になってしまう特性はあるようだ。
夜になって 店を襲って洋服や宝石を盗んだり パトカーに火を付ける人たちは 黒人差別反対運動には関係なく、この機会を利用して、泥棒したり騒いで憂さを晴らすのが目的のように思える。
デモの途中で いさかいになって警官隊と衝突する人たちと 店に入って泥棒する人は 全く違う種類。
深夜に出歩いて建物を損壊して 略奪したり、火をつけているのは職を持っていない人がほとんどだろうと思うけれども、500人規模の警察出動で止められないほどの暴動ということは それだけ生活に困窮している人が多いと思われる。
そもそも 上の画像はロサンゼルスでの略奪で、事件とは全く関係ない店が襲われて商品が奪われている。州によってはセーフティネットが十分整備されていないので、こういった暴動の時に 火事場泥棒的に物資を盗んで自衛するという事なのかもしれない。
町山さんはアメリカ全体の失業率は14%で 都市部の失業率はもっと高いと指摘している。略奪しているのが貧困層だとしたら 貧困が減らない限り 略奪も減らない気がする。
資本主義 特に 新自由主義は強烈な格差を生みだすが、こうした格差で生み出された弱者は 略奪や犯罪に追い込まれ その不利益は 社会のどこかに突然 ふりかかってくる。
自由放任主義的な経済は 間違いであると マサチューセッツ工科大学経済学博士岩井克人氏(いわい・かつひと)は説明している。
コロナ前、IT企業への富の集中によってアメリカの大都市の家賃は異常に高騰し、ニューヨークの庶民の下町ブルックリンでも60平米で平均30万円に達していたところに飲食やホテル従業員が多く職を失いました。交通や清掃、食料品店など不要普及の労働者も多く、コロナの犠牲になりました。 https://t.co/lMkRnD7w2m
— 町山智浩 (@TomoMachi) May 31, 2020
なぜトランプは差別解消に乗り気ではないのか
トランプは事件に対して「あってはならない」的なコメントはするものの 自ら出向いて事態を収集する気は無いように見える。
Twitterを読む限りトランプの言動は非常に単純です。いくら読んでも これではアメリカが良くなるとは思えない。
基本的に問題が起きたら 全部誰かのせいにする。個人攻撃か悪者探しをする。
人のアラを探してそれを繰り返し攻撃する
相手の言い分が正しい場合は 大統領令で法律を変えようとする。
抗議デモをひとまとめにして 州兵(暴力)で解決しようとする。
実験が成功したらすり寄ってきて「アメリカは偉大だ」というふうに総括する。
暴力と脅迫と圧力で解決しようとする
自分の行動に問題があったら フェイクニュースを流す
攻められたら相手の行動に悪い部分があったと大げさに言う
という具合でトランプは国のために考える能力はなく保身に精一杯です。
風邪を引いたのは あいつのせいだと恨み節をいった所で風邪は治らないです。リーダーに求められているのは予防対策や全体をリードするための方向性の決定であって 犯人探しをされても困ります。
今回の事件では 白人による黒人差別が根幹にあるため、アメリカ国民の意識を変えるという壮大な長期的な作業を地道に行っていかなければならないのですが、 国境に壁を作ると言って当選したし、本心ではバリバリの白人優位主義で有色人種の人権についてはどうでもいいと思っているはずなので、黒人に人権をなんて言えなくなっている。
トランプ的には何にも言えないので、 暴動を起こしている人を悪者扱いして票を集めたり、うまく鎮圧できない人をけなしたりして 意識をそらそうといる。
トランプは次の白人による黒人リンチ事件をどうやって防ぐのかというプランは立てられないでしょう。そもそも差別をなくす気も無いのかもしれません。
黒人差別問題より11月の選挙が気になるらしい
トランプはコロナの感染は中国とWHOの対応のマズさのせいにして誤魔化したつもりでしょうが、お金をばらまく以外は何も出来なかったのはバレています。
「コロナウィルスの感染拡大に失敗した」と指摘する報道にはフェイクニュースだと言いがかりをつけています。
さらに自分のTwitterが立て続けに デマ情報(26日)だと認定されたので、人気に影響が出ると判断したのか、28日午後 米通信品位法230条でSNSの免責を撤廃するか効力を弱める法律を導入すると表明して 大統領令に署名しています。
トランプの生命線は 無編集でウソが言えるTwitterとフェイスブックなので、デマを言うなと検閲に入った米国ツイッター社に対して 自分のウソ&過激ツイートを警告なしでそのまま掲載させろという圧力なわけです。
一番呆れるのは Twitterにデマだと言われた時には、たった2日で大統領令を出して自分の発言の権利は守ろうとするのに、今回の 黒人の生存権に対しては 各地でデモが起きているのに 何日たっても大統領令を発令しないところです。
トランプは銃乱射事件と同じように 人々の記憶が風化するのを待つ作戦だろうと思います。
うっかり大統領に選んだら4年はその場で足踏みという地獄のような展開になっています。
11月の大統領選挙は これまでにないくらいにアメリカ国民の良識と判断が問われる戦いになるでしょう。
ビリー・アイリッシュ インスタグラムの投稿
アメリカの根底には いつか必ず自由と平等は保証されるという希望があるのでデモ行進する人も大勢いるわけです。自主的に動くことが奨励されていて 黙っているのは敵に味方している行為だと思われている。
ただ 白人というだけで特権が与えられている。
今週はこの事件に対してどう言えばいいのか考えていた。巨大なプラットフォームを持っているし、何を言えばいいのか どう伝えればいいのか なんとか敬意を表する形でと思ったけど…ああクソ とにかく始めてみる。
もし私が あと一回でも 白人が「みんなの命も大事だよ」とかほざくのを聞いたとしたらブチ切れる。いいから黙っててくれない?誰もあんたの命が大事じゃないとは言ってない。誰もあんたの人生が大変じゃないなんて言ってない。
そして誰もあんたについて話しているわけじゃない。あんたがやっていることは全ての物事を 自分の話にしようとしているだけだ。これはあんたの話じゃない。
全部自分の話にすりかえるをやめろ。あんたは危険じゃない。あんたは(助けを)必要としていない。
(まるで子供に話しているみたいだけど こうしないと あなたみたいな人にはつたわらない)
もし あなたの友達が腕を怪我したら、その子にバンドエイドを渡さずに、他の全ての友達にバンドエイドが行き渡るのを待ってから その子に渡して「みんなの腕も大切だ」っていうの? まさか。 怪我して血を流して 助けを必要としているんだからすぐ助けるでしょ。
誰かの家が火事になって 誰かが下敷きになっていたら 、消防士の人に ブロックにある他の家を見にいかせて、全部の家が大切だっていうの?
まさか そんなの求めてないよ。
あんたらは好きか嫌いかに関わらず特権をもっているんだよ。白っていうだけで社会は特権を与えている。白人でも貧しいかもしれないし、つらいかもしれないけど それでもあんたの肌の色は 特権を与えているんだよ。
(4ページ目)
白人の特権が、ヒスパニックやネイティブアメリカンやアジア人に悪影響を与えているかって? はい そうです!1000000000%そうです。
今 この時に 黒人に対する何百年もの いじめを無視してきたことに触れないといけない。”黒人の命も大切だ”っていうスローガンは 他の人種の命が大切ではないと言っているのではない
この社会が明らかに”黒人の命なんて大切じゃない”と思っている事実に注目してくれと呼びかけているんだよ。そして実際に(社会は)そう思ってるんだよ。
それが ”黒人の命も大切だ”っていう意味なんだ
黒人の命も大切だ
黒人の命も大切だ
黒人の命も大切だ
もう一回言って
#ジョージフロイドのために正義を
黒人が過剰に暴行・殺傷を受けた事件
・1991年4月 ロサンゼルス暴動
4人の白人警官が スピード違反をしたロドニー・キングという黒人青年を警棒などで殴打し、車から引きずり出して足蹴にするなど暴行。たまたま 近隣住民が持っていたビデオカメラでこの様子を撮影。この映像が全米で報道された。
92年4月29日 白人住民の多いシミ・バレーで陪審員は無罪評決を下し、黒人・ヒスパニック系の住民の怒りが爆発。同日にロサンゼルス市街で暴動が発生。死者53人 負傷者約2,000人 逮捕者約1万人。州兵と 4000人の陸軍、海兵隊が出動して6日後に沈静化。
・2014年7月 ニューヨークで黒人男性のエリック・ガーナーさん
警官に取り押さえられ、「息ができない」と叫んだ後に死亡。
・2020年2月 ジョージア州 アーモード・アーバリー
ランニング途中に 白人の親子に呼び止められ その場で射殺された。地元の連続空き巣事件の犯人だろうと言いがかりをつけられた。
2020年3月、ケンタッキー州 ブリオナ・テイラーさん
救急救命士のテイラーさんが彼氏とアパートでくつろいでいたら、警官2人が令状なし ノックもなし、警官だとの身分も明かさず いきなり家に入ってきた。
彼氏は強盗だと思って銃撃戦になった。それに巻き込まれテイラーさんは8発の銃撃を受けて死亡。警官は部屋を間違えた。 麻薬のディーラーはそのアパートの別部屋を取引に使っていた。