筒香選手はMLBでなぜ打てなくなったのかを考察する

ハマのゴジラこと筒香嘉智選手ですが、MLB タンパベイレイズでは極度の不振に陥っているので「なんで?」と思って調べてみました。

なぜ筒香選手は打てなくなったのか

結論を言うと2つ。
・筒香選手は変化球打ちはうまいけれど、MLBの投手はそれを知っていて投げてこない。 
・ストレートは2割も打てないので そればっかり投げられてる

MLB選手の統計サイト

直球の打率が1割6分5厘

ファンの間で言われている 速球に弱い説は本当です。

①統計サイトを見てみると、筒香選手のストレート系の打率は わずか.165  つまり100回ストレートが飛んできたら16本しか打てません。ピッチャーからすれば良いカモです。

そしてMLBのピッチャーが筒香選手に投げてくるのは6割が速球です。ピッチャーが100球投げるとすると60球がストレート、打てるのは そのうち10本です。

②続いて変化球を見てみましょう。スライダー、カーブなどはブレーキングボールと呼ばれています。 筒香選手はブレーキングボール打ちが得意で 昨年の打率は.275。今年はスランプなのか現時点で .105です。

そしてMLBのピッチャーが筒香選手に投げてくるブレーキングボールは全体の25%。ピッチャーが100球投げるとすると25球くらいです。このうちヒットは2~7本

③最後にチェンジアップやフォークの落ちるボールを見ます。この球種の打率は2割。投げてくる確率はおよそ15%。100球のうち15球程度。ヒットは3本。

まとめると 筒香選手はMLBのピッチャーと100球勝負をすると 凡打が80。ヒットは20本程度がやっと、今シーズンの予想打率は良くて2割です。これは厳しい。

日本製パワーヒッターがなぜか誕生しない

ただ、日本人メジャーリーガーで5年以上活躍した野手は数えるほどしかいません。青木宣親、イチロー、福留孝介、松井稼頭央、松井秀喜。うちパワーヒッターで活躍したのは松井秀喜選手だけ。

MLBの場合は ストレートの平均球速が150キロ付近なので、ダルビッシュ、大谷、前田選手レベルのピッチャーと毎日対戦するようなもんです。イチローが異次元なだけです。

つまりNPBに比べて筒香選手の成績が落ち込むのは普通です。MLBとNPBでの打率を比較すると 打率は4分程度下がります。それにしても成績が落ち込み過ぎなのは 速球に対応できていないからです。

では なぜ筒香選手は日本では活躍できたのか? 

日本の場合は150キロ以上を投げられるピッチャーは セパ両リーグで それぞれ50人程度しかいません。それも最高速度がそれで、実際はもっと落ちます。

実測は140キロ前半が ストレートの平均球速になります。ところがMLBの投手197人の平均球速を計算すると93マイル。149.6キロです。

現実を言えば 筒香選手が得意なのは 130キロから 140キロ前半のストレートと変化球で、NPBではそれに当てはまる球を 投げてくる投手が多かったから結果を残せたと言えそうです。

MLBでは90~93マイルのストレートを 今の所筒香選手はミートできません。フライか凡打か三振を量産することになっています。

140キロを打つのと150キロを打つのとでは まるっきり違うものだと考えたほうが良さそうです。

筒香選手はMLBピッチャーに変化球を投げさせるためにも ストレートを攻略する必要がありますが、放出までには 間に合わないでしょう。

NPB復帰も悪くはありませんが、せっかくなので マイナーにしがみついてでも 速球に対応する方法を模索したほうが面白いような気がします。

追記 2021/5/13

【MLB】筒香嘉智、レイズから事実上の“戦力外” 他球団移籍やマイナー降格の可能性

 レイズは11日(日本時間12日)、筒香嘉智内野手をメジャー出場の前提となるロースター40人枠から外す手続きを取った。


不振が続いていたので 高確率でロースターから外れるだろうとは思いましたが、去就に注目です。3Aに残留したら 珍しいケースになるので期待して見ています。

追記 2021/9/11

筒香選手は 5月15日にドジャースへ移籍。6月9日に3Aに降格。8月14日に自由契約。ドジャースでも開花することはありませんでした。

しかし8月16日にパイレーツとメジャー契約。その後 22試合出場で打率.286(56打数16安打)、7本塁打、15打点とブレイクを果たしています。

なぜ急に当たりだしたのかは分かりませんが、データを見ると 速球が打てるようになったわけではなく 変化球(特に落ちる球)が打てるようになったようです。

パイレーツに移籍してからの 球種と打率ですが

チェンジアップの打率は.294
スプリットの打率は .250 
ストレートの打率は.204。
カットボールの打率は .083

と直球は苦戦しています。投げられる球は4割がストレート 1割がカットボール。つまり半分が直球系です。

その代わりホームラン7本のうち変化球打ちで5本打っています。特に落ちる球で3本も打っている。

パイレーツの筒香選手は直球に対応したというよりは 特異の変化球打ちを さらに磨いたことで打撃成績が上向いたというのが実態のようです。いずれにせよ MLB筒香選手の寿命は伸びました。 

ただナショナルリーグの投手陣は筒香選手が変化球打ちに強いということを まだ分かってないので、これから直球主体に切り替わった時に筒香選手の成績がどうなるかというのが注目です。恐らくこの先にもう一山あると思います。


スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする