ニューヨークとシカゴを結ぶ 直線の光ケーブルをつなぐストーリーの ハミングバード・プロジェクト。調べたらこの話は実話を映画化したものではなかった。まったくのフィクション。
ただ、ニューヨークとシカゴ間を結ぶケーブルというのは実在する。
なぜ1ミリ秒の差で大金を稼ぐことができるのかはフラッシュ・ボーイズの1章に書かれている。サヤ取りで優位に立てるかららしい。例えば シカゴで原油が100ドル、ニューヨークでは99ドルで売られているとする。
金持ちになりたい場合、利ざやが無くなるまでニューヨークで買って シカゴで売るを繰り返せば良い。しかし そのうち他のトレーダーも気づいて原油を買う。気づく人が増えれば、どんどん原油の価格差はゼロに近づいていく。
早い話、他の人より速く取引ができなければ儲からない。速く取引するために 通信速度が肝心な訳です。
そして その速い回線を欲しがるウォール街のトレーダーは山ほどいるので もし回線が開通できれば、回線を貸し出す利用料だけで大量に儲けることができるわけです。
フラッシュ・ボーイズでは 高速回線にどれだけの価値があるのか、そして どれだけ金を生むのかが分かり易く表現されている。そして大金が入ってくるワクワク感を裏切らない。
ところが、この映画は急に失速する。通信速度をミリ秒単位で向上させようとする野心家が、突然 宗教に感化されて 「でもお金なんてね…」みたいに 鞍替えしてしまう。
Amaプラに入ってたから見ていたが、思わず椅子からズッコケた。これではリアリティが無さすぎる。そんなメンタルだったら 最初からケーブルを通そうとは思わない。
それに、実際には シカゴ-NYまでの光ケーブルを通すのに 2000人規模で工事が行われたわけで、よく考えたら 2-3人で 権利書もって民家を回ってたら死んでも開通しないのである。この映画が良いのは 俳優さんの演技で、ストーリーは3流です。