「競技や大会でパッドとマウスを混ぜると必ず揉める」 → シュラウドの解決策「別々の大会が必要。」

・カーソル移動のデバイスとしてはマウスが有利
・エイムアシストを導入するゲームとそうでないゲームは方向性に違いがある
・エーペックスやフォートナイトはVALOやCSGOに比べると競技性が高いとは言えない

Aim assist in the crosshairs ワシントン・ポスト 

論争を巻き起こすエイムアシスト

sF Rollerという名前でチャンピオンシップシリーズで優勝し25,000ドルを手に入れた14歳の 少年は論争を巻き起こすツイートをしました。”ありがとうエイムアシスト”

エイムアシストというのは 照準を敵に合わせるのを補助する機能です。コントローラーのアナログスティックで照準を合わせるのはマウスよりも難しいため それを補うために追加された機能です。

5月のトーナメントの後、「Fortnite」のプロやコメンテーターは、コントローラーを使用したプレイヤーを非難しました。コントローラを使用しているプレイヤーがエイムアシストを使わずに優勝するのは考えにくいとのことでした。

昨年の「Fortnite」ワールドカップで300万ドルを獲得したことで有名なKyle “Bugha” Giersdorfは、sF Rollerのショットが正確ではなく、視界が妨げられているにもかかわらず相手に当てている事を示したゲーム映像をツイートしました。

エイムアシストの議論は esports にとって新しいものではありませんが、注目度は確実に高まっています。Fortniteの大会賞金は数百万ドルで、マウスとキーボードを使ってプレイする多くのプロは、エイムアシストを不正行為の一形態とみなすようになってきています。

しかし テレビゲームに於いて公平さを保つことはテニスや卓球のように簡単ではありません。

完璧にバランスのとれたエイムアシスト、コントローラのプレイヤーをマウスやキーボードのプレイヤーと対等な立場にするバランス調整は存在しないかもしれません。

プロプレイヤー界、 開発者、大会運営者の誰もが解決していない問題です。

そもそもジョイスティックは不利なのか?

カナダ サスカトゥーンにあるコンピュータサイエンスの研究室で働くリーガン・マンドリク教授は、コントローラや マウス・キーボードを使って遊ぶときのダイナミクスを研究してきました。

マンドリク 「(マウスとジョイスティック)それは オレンジとリンゴを比較しているようなものです。間違いなく、マウスの方がより速く、より正確なデバイスです。このことは、1980年代から何度も研究で証明されています。これは議論の余地はありません。ジョイスティックの方が遅く不正確です。」

デバイス単体ではジョイスティックが操作がやりにくいようですが、ゲームにおいては あてはまりません。

“キーボードとマウスのプレイヤーは、より遠距離の敵をピンポイントで狙うことができます」と語るのは、『Apex Legends』の人気ストリーマー(コントローラープレイヤー)、Dalton “Daltoosh” Hester氏。

彼は、一部の銃はキーボードとマウスでよりよく機能し、一部の銃はコントローラでよりよく機能すると考えています。

例えば、フリックショット(カーソルを素早く動かしてヒットさせる)をするには ゲームパッドでは 難しいと言っています。

Daltooshは「エイムアシストにはよく機能する距離がある」と述べ、コントローラがマウスよりも優れているのは “目の前の1.5メートルから3メートルの範囲だと述べています。

コントローラープレイヤーは、至近距離ではマウスやキーボードを相手にしても、速射武器を使用して、はるかに高い割合で着弾させることができます

さらに研究の一部では、エイムアシストがプレイヤーの認知的負荷を軽減し、ゲームプレイ中に他の重要なタスク(ポジショニングや音声の聞き取りなど)に注意を向けることができるようになり二次的な優位性を与えると示唆しています

キーボードマウスのプレイヤーの中には、エイムアシストが より役立つと考える人もいて「Apex」のプロチームでもコントローラのプレイヤーの数が増えています。

この先 キーボードマウスのチームは、相手がコントローラーだと知っている場合、近距離戦を避けようとするかもしれません。

また、「Apex」と「Fortnite」の両方で、コントローラーとキーボードマウスを同時に使い、状況に応じてゲーム中に切り替えて、それぞれの入力の強みを活かすプロも出てきています。

カジュアルと大会・ランクで反応は異なる

問題を難しくしているのはEスポーツ や リーグ戦のような競技性が高いシーンと エンターテイメント色の濃いシーンでは意見が分かれるところです。

勝っても負けても関係ないカジュアルゲームの場面ではエイムアシストがついていても ついていなくてもそれぞれのプレイヤーが”楽しめている” “気にならない”という結果が出た。

あまり上手くないプレイヤーもエイムアシストで技術がかさ上げされるので上手い人と同等に戦うことができる。その結果 バランスがとれた接戦になってどのチームも勝つチャンスが生まれる。

しかし 競技の場面では明らかに反応が異なる。ランク戦では、Daltooshも コントローラー反対派の人から苦情メールをもらうそうだ。

“毎日たくさんのプロを倒しているし、チャットではいつも『お前があの戦いに勝てたのはエイムアシストのおかげだ』とか『コントローラにやられた』とか言ってくる人がたくさんいるんだ」という。

ゲームが何を目指すかで エイムアシストは変わる

Riot の「Valorant」のようなゲームは、CS:GOを手本に、エイムアシストを持たないことで問題を解決した。これらのゲームは、何としてでも公平を達成しようとするビジョンを持っている。

コントローラープレイヤーの不参加は公平性を保つために支払うべき代償である。そのため「Valorant」はカジュアルなプレイヤーに向けたものではない。Riotは、少なくともある程度、そういったプレイヤーを疎外させることを厭わない。

『Fortnite』や『Call of Duty: Warzone』『Apex Legends』などのバトルロワイヤルゲームは、よりエンターテイメントに力を入れている。

いずれもアシスト付きのコントローラー対応を特徴としており、コンソールでもプレイ可能です。どのゲームもクロスプレイを搭載しており 特に “Fortnite “はコントローラープレイヤーのエイムアシスト機能を倍増させています。

これらのゲームは ハイエンドPCのマウスプレイヤーに支配されるよりも、さまざまな入力方法やプラットフォームで勝てるようにする事に興味を持っています。

プレイステーション、Xbox、画面が割れた古いiPhoneのどれを使っていようと関係なく、すべてのプレイヤーが時間をかけてプレイできる環境を作る事が大事だという判断。

シュラウドの提案する解決策

このようなタイトルで競争の公平性を確立するための1つの方法は、コントローラとキーボードとマウスのプレイヤーを別々に分けることである。

“カジュアルなレベルでは、1つのロビーにマウスとキーボード、コントローラーのプレイヤーが混在していても問題はない」と、元CS:GOのプロMichael “Shroud” Grzesiek氏はThe Postに語った。

“しかし、賭け金が高く、お金のためにプレイする場合は、競争上の整合性と公平な競争の場が必要です。つまり、マウスとキーボードのプレイヤーとコントローラーのプレイヤーのための別々の競技会が必要なのです」と語っています。

マウスとキーボードのプレイヤーとコントローラーのプレイヤーが同じ大会に参加している限り、この話題は議論になるでしょう。別々の大会が開催されるようになれば、この問題はなくなります。

フォートナイト・APEX

EpicやRespawnのような企業にとってはより多くのユーザーに楽しんでもらえるゲームを作るほうが競争性の高いゲームを作るよりも優先順位が高い

コントローラープレイヤーを除外することは多くのプレイヤーを失うことを意味する。

Epic の場合はゲームバランスを調整してコントローラープレイヤーの楽しみを減らす事にメリットを感じていません 

Epic Games は5月に PC 版のパッドのエイムアシスト機能を弱めることで譲歩しましたが基本路線は変わっていません

フォートナイトはチャンピオンシップもプラットフォームごとにブラケットを分けましたが 入力デバイスでは分けていません。



感想 コントローラープレイヤーに大会で勝てるかもしれないという夢を持たせたい場合には、参加者を増やす あるいは維持する目的で 企業が
エイムアシストを強化する方に向かうのも分かる気がします。

そして運営者にとって 大会で勝つのは 少数のPC マウスプレイヤーではなく できれば 母数の多いパッドプレイヤーの方が好ましいのかもしれません。

そうなっていくと 補助さえ付けば誰が勝ってもおかしくないという状況になっていくので 勝つのもかなり難しく、こうしたゲームでプロとして勝ち続けるというのもかなり難しいように思います。


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