【薬屋のひとりごと・考察】服装で身分が丸わかり? 唐代ファッションから紐解く『薬屋のひとりごと』の秘密

猫猫(マオマオ)も祭事の時以外は常に同じ服でしたが、唐の時代の後宮では身分や地位によって服装が厳格に定められていたとされています。

 
小蘭(シャオラン)、子翠(シスイ)のような下女たちは 皆同じ服。これは強制着用命令です。「皇帝の許可なく規定外の服を着ることは許しまへんで」でした。 「おめぇらは裏方。目立ってはならぬ、常に地味な服を着ろ。」というひどい時代だったのです。
 
なんせ後宮は 秩序の維持が重要、身分を服装で固定しておく事が重要だったわけです。アニメ第1話を観察してみると、マオマオは下女時代は小蘭(シャオラン)と同じ服、玉葉妃の侍女になってからは緑の服になっています。

後宮の女性たちも唐代と同じように (妃、女官など)は階級に応じて色、素材、装飾、デザインが異なっています。

玉葉妃(ギョクヨウヒ)のファッションチェックをしてみよう。
マオマオが1話で仕えることになった玉葉妃。 金と翡翠の髪飾り、が基調の漢服、 デカい花の刺繍です。もう金と翡翠の髪飾りの時点で「ああ皇族」ってのが分かるように出来てる。
あとは 透け感のある絹、羅(ら)とかや紗(しゃ)を使った羽衣、色のグラデーションで美しさを演出….こういう重ね着が唐の最先端ファッションで、「流行に敏感です。目立って 王様の気を引いてます。 おら王妃!」という格好をしています。

こんな所に着目してみると 大体の身分が分かる。

服装の特徴
  1. 皇后・高位の妃が着用していいもの
    • 高級な絹(特に錦や羅)を使用。
    • 色は黄色(皇帝の色)や赤、紫など高貴な色が中心。
      唐代では黄色は皇帝専用だったが、皇后も特別な場面では使用可能だった。
    • 鳳凰や龍など高貴なモチーフの刺繍や金銀の装飾。
    • 冠や髪飾りも豪華で、玉や金を用いたものが一般的。

  2. 中級妃嬪
    • 青や緑など、やや落ち着いた色調。
    • 絹の質は良いが、皇后ほど豪華ではない。
    • 花や鳥の刺繍が一般的で、装飾は控えめ。

  3. 宮女・侍女
    • 簡素な絹や麻の服。
    • 色は淡い青や白、灰色など地味なもの。
    • 装飾は最小限、実用性を重視
    • 髪型や髪飾りも簡素で、地位の低さを反映。

宦官のファッションは割と地味。
  • 服装:宦官も地位に応じて服装が定められていた。
  • :高位の宦官は紫や緑、中位は、下位は灰や黒など。紫は高級官僚に許された色で、宦官の最高位の者しか着用できない。壬氏様。
  • 素材:絹が基本だが、皇帝や妃嬪ほどの高級な錦や羅は使用せず、比較的簡素。刺繍は控えめで、雲や花の模様が一般的。
    装飾:玉や金の装飾は控えめ。祭事の時に帽子(烏紗帽:うさぼう)、おしゃれな宦官は帯にシンプルな装飾がある程度だった。

    うさぼう
    うさぼう

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