結論:結構ズレていた。
気になるゲームが発売近くになるとファミ通を買って読んだりするのですが、2017年9月28日号 は2017年4月~8月までの殿堂入りソフト(78作品)が発表されていました。
これは4~8月までで高評価をつけたソフトだけを並べた記事なのですが
クロスレビューはamazonカスタマーレビューいわゆる”ユーザーの意見”とどの程度 違うのだろうかと思ったので調べてみました。
ファミ通クロスレビューといえば、2013年9月、Amazonで1.9点を叩き出した「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル(PS3)」に40点をつけて盛大に叩かれるという事もありましたが
果たして現在はユーザーの意見とクロスレビューの意見は一致しているのでしょうか?
クロスレビューは4人のレビュワーが10点満点で評価するので、合計40点となります。
amazonレビューは最高5点のため、クロスレビューを8で割り最高5点にして計算しています。
クロスレビュー合計 | クロスレビュー(5点化) | アマゾンレビュー |
レビュー | 得点差 | |
ドラクエ11(3DS) | 40 | 5.0 | 4.1 | 562 | 0.9 |
ドラクエ11(PS4) | 40 | 5.0 | 4.2 | 1466 | 0.8 |
ファイヤーエンブレムエコーズ | 37 | 4.6 | 3.4 | 272 | 1.2 |
スプラトゥーン2 | 37 | 4.6 | 3.1 | 834 | 1.5 |
GUILTY GEAR Xrd REV 2 | 36 | 4.5 | 3.6 | 41 | 0.9 |
ギアーズ・オブ・ウォー4 | 36 | 4.5 | 4.5 | 77 | 0.0 |
鉄拳7 | 36 | 4.5 | 2.7 | 315 | 1.8 |
プロ野球ファミスタクライマックス | 36 | 4.5 | 3.5 | 39 | 1.0 |
マリオカート8デラックス | 35 | 4.4 | 4 | 325 | 0.4 |
スナックワールドトレジャラーズ | 35 | 4.4 | 3 | 85 | 1.4 |
ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン | 35 | 4.4 | 3.5 | 67 | 0.9 |
LEGO (R) ワールド 目指せマスタービルダ | 34 | 4.3 | 3.4 | 80 | 0.9 |
Prey | 35 | 4.4 | 3.2 | 70 | 1.2 |
アライアンスアライブ | 34 | 4.3 | 4.1 | 114 | 0.2 |
Ever oasis | 34 | 4.3 | 4.1 | 49 | 0.2 |
レイトンミスリージャーニー | 34 | 4.3 | 2.9 | 90 | 1.4 |
大逆転裁判2 | 34 | 4.3 | 4.6 | 195 | -0.4 |
リトルナイトメア | 33 | 4.1 | 3.5 | 2 | 0.6 |
終わる世界とバースデイ | 33 | 4.1 | 4.8 | 5 | -0.7 |
Hyper Light Drifter | 33 | 4.1 | 3.5 | 12 | 0.6 |
ARMS | 33 | 4.1 | 3.6 | 286 | 0.5 |
ラジアントヒストリア パーフェクトクロノ | 33 | 4.1 | 4.2 | 46 | -0.1 |
Gundam Versus | 33 | 4.1 | 1.9 | 566 | 2.2 |
hey ピクミン | 33 | 4.1 | 4 | 51 | 0.1 |
DIRT4 | 33 | 4.1 | 3.9 | 32 | 0.2 |
世界樹と不思議なダンジョン2 | 33 | 4.1 | 3 | 33 | 1.1 |
ダンジョントラベラーズ2-2 | 32 | 4.0 | 4.1 | 33 | -0.1 |
ゾンビアイランド2 | 32 | 4.0 | 3.9 | 38 | 0.1 |
Flatout4 | 30 | 3.8 | 3.6 | 5 | 0.2 |
探偵神宮寺三郎 ghost of the dusk | 30 | 3.8 | 4.4 | 23 | -0.7 |
クロスレビューのほうが得点は高くなる
散布図はこんな感じ(↓)になりました。縦軸がamazonカスタマーレビューの得点、
横軸がクロスレビューの得点です。
赤い線の周りに点が集まれば理想なのですが、かなりズレます。
2つの列の相関係数を出してみると-0.044 amazonカスタマーレビューとクロスレビューの得点にはほとんど相関はないという結果になりました。
全30件中クロスレビューの得点が高かったものが24件、カスタマーレビューの方が高かったものが5件でした。80%の確率でクロスレビューの方が高い得点をつける計算になります。
なんつーか。やさしい。
いや無理だ、誰でも無理だ。企業>編集長>読者の順になるよ。だって書いてる人だって生活のあるサラリーマンだからね。クソつまらねぇとか書いたら編集長に呼び出されて飛ばされそうだし。
言っていい枠の範囲で わずかに本音を忍ばせることくらいしかできんよ。本当に面白いゲームだったら最高だよ。でも40点のデスストラン…やっぱいいわ。
クロスレビューがアテになるのは評価が定まっていないゲーム。
クロスレビューに関して一番おもしろかったのがこちらのブログ記事でした。
・この中ではスクエニには甘い点がつくとありますが、広告主ですから その可能性はあります。
私の観察では
・シリーズが人気化したら、中身がどうであれ ほぼ100%高得点をつける。(8~10点)
・シリーズがまだ有名になっていないゲームならばデモンズソウルのようなゲームも低評価な事がある。というものです。
【私の個人的な意見】評価が固まってない新作ゲームは参考になる。
シリーズ化しているものはアテにならない。
私は鬼畜ゲー デモンズソウルを低評価した時のレビューこそが クロスレビュワーの本音だったのではないかと思います。この当時はそんなにメジャーではないタイトルでした。これではユーザーの反応が予想できません。
プレイするとすぐ死ぬデモンズソウルを レビュワーがプレイした時に「これは面白くない」と判断したので低評価「6」がついたのではないかと思います。でも本来レビューってこういうものだと思うんです。
飯野 賢治さんもおっしゃってましたけど、ゲームをちゃんとプレイして、得点を本音で語れといってるわけですね、会社内でお互い話し合って、お前が8なら俺は7にするとか ゲームの売上を考えて10点にしようとか、そういうのはやめてくれと、 このゲームはすぐ死ぬけど 80時間プレイするほどハマったから俺は10点!という人もいれば、クソゲーだろ。2点。という人もいる、人は一人一人違うし、真剣に取り組んでくれて、その評価だったら 俺はそれでもいいと言いたかったのではないでしょうか。
飯野さんマジかっこいい。
レビューじゃなくて CM。
セヤカテ駆動。
ファミ通はゲームメーカーが広告を出稿している媒体なので、価格も圧倒的に安いです。
ゲームにとって あまりにも悪い部分を書いてしまえば、会社や媒体の広告費や ゲームの売上に影響してしまうので、あまりにも悪い内容は書けない状態になっているのかもしれません。
ファミ通の影響力がどれくらい大きいのかは分かりませんが、大きい場合には ここはつまんなかったとか、この部分がめんどいとか、グラがダサいとか 数時間で飽きたとかは書きにくかったりします
…でも忖度しまくって ゲームに対する率直な意見が言えないのだとしたら
それって誰のためのレビューなのでしょう。そんなレビューを信用して買う人をどう思ってるんでしょうか。そもそもレビュー(批評)ができるんでしょうか?謎が尽きません。
別にファミ通に限ったことではなくて 大手ウェブメディアもこの感じはあります。酷評のアンセムを褒めちぎっている記事なんかを探せばすぐ見つかります。
amazonの得点とファミ通の得点のズレが大きいソフト
GUNDAM VERSUS 2.1 点差(ama2.0点 ファミ4.1点 )
鉄拳7 1.8点差(ama2.7点 ファミ4.5点)
スプラトゥーン2 1.5点差(ama3.1点 ファミ4.6点)
スナックワールドトレジャラーズ 1.4 点差(ama3点 ファミ4.4点)
レイトンミステリージャーニー 1.4 点差(ama2.9点 ファミ4.3点)
GUNDAM VERSUS
65%の人が星1をつけているGUNDAM VERSUSは なぜか4.1点。これは明らかにユーザー目線とはかけ離れています。
GUNDAM VERSUSは使用できる機体が少なく、有料DLCで追加する機体が多すぎたことでユーザーの反感をかったソフトです。8000円もする事で一気に不満が爆発したソフトでした。
今からソフトを買うという人の立場にたてば、どっちが参考になるかと言えばそれは公平に見てAmazonの方でしょう。
信じて買ったら 面白くなかったというのはまずい気がします。そういえばジョジョのオールスターバトルもこのパターンに当てはまっています。
まとめ
・amazonカスタマーレビューとクロスレビューの得点にはほとんど相関はない
・クロスレビューはソフトの8割がカスタマーレビューよりも高い方にズレる。
クロスレビューは新しいゲームの存在を知るという意味では意味のある媒体ですが、レビュワーの率直な意見が書けるAmazonやSteamのレビューとは 条件が異なります。
クロスレビューの優位な点は発売日前のゲームレビューができるというところです。
現在ではSNSが普及して、全員が発信者となったため ユーザーに近い人達の意見が豊富に集められるようになりました。その時点でクロスレビューはかなり苦しくなったのかもしれません。
もちろん 炎上事件などではAmazonやSteamでもゲームをせずに極端に低いスコアをつける迷惑ユーザーが現れますが、 日本や北米ではゲームに真剣に向き合う人が多いので ユーザー目線の個人レビューはあちこちで探せるようになっています。どちらが一般ユーザーに近いかといえば明らかにこっちです。
さらに発売日直後にはゲームプレイ動画が配信されているのが現状なので、もはやクロスレビューのライバルはSNSやAmazonだけでなく 一般ユーザーが配信するYoutubeやTwitchに拡大しています。
なんとも難しいものですが 先行情報とか開発者の話とかで 面白い情報は乗っているのでレビューは 頑張ってるなぁ的な感じで読むのがいいような気がします。