【SMR方式は使えない子じゃなかった】Seagate BarraCuda 内蔵HDD(4TB)をレビュー

結論 

 SMR方式 4つの特徴

○ 消えても心が傷まない 動画のデータ保存としては使いやすい
  BACK BLAZEのデータセンターでも数万台使われている方式
☓ ただし完全にデータ保存向けで、OS起動用ドライブやNASには全く向いていません。
○ ランダムアクセス速度を測ってみたら 普通のHDDとほぼ同じ。
○ 構成はほぼ同じだけれど なぜか8TBの方が年間故障率は低いです(別記事


一般的にHDDの寿命は2万時間と言われているのですが、6年前に購入したWDグリーンが22000時間も通電していたので「やばい、死んじゃう。」と思ってSeagate BarraCuda ST4000DM004(4TB)に換装してみました。

互角な2機種 4TBを比較

とりあえずスペックはこんな感じ

Seagate BarraCuda 3.5" 4TB 内蔵ハードディスク HDD 2年保証 6Gb/s 256MB 5400rpm 正規代理店品 ST4000DM004【国内代理店品】WD 内蔵HDD Blue 3.5" 4TB SATA(6Gb/s) 64MB 5,400rpm 2年保証 WD40EZRZ-RT2

Seagate BarraCuda 3.5″ 4TB

ST4000DM004

WD 内蔵HDD Blue 3.5″ 4TB 

WD40EZRZ-RT2

¥7,573¥7,854
SMR方式
非公開(CMR方式
2枚プラッタ(2TB/枚)3枚プラッタ(1.33TB/枚)
SATA 6GB/s SATA 6GB/s 
4TB4TB
490g635g
256MBキャッシュ64MBキャッシュ
5400回転/分5400回転/分
2年保証2年保証

大量に動画データを保存できる
スピードもそれなり
同じ部分を何回も書き換えする場合に弱いのでOS保存には向かない

大量に動画データを保存できる
スピードもそれなり
OSも保存できる

動画保存としては優秀なSMR

専門家の話ではバラクーダのSMR方式は 1枚の円盤に書ける量を増やすために、データを重ねて書いていく方式なので、同じ箇所を何度も書き換える事を苦手としているそうです。

現在は4TBのHDDはシーゲイトとWDの2つのモデルの対決になっています。大きな違いは書き込み方式です。結論から言うと OSを保存するならCMR方式のWD青の方が良いようです。

WD製の場合 末尾がEZRZのものはCMR方式らしいです。消えても良い動画ファイル用という場合は 大差ないので 価格の安い方で良いと思います。

そのため 毎週のようにアップデートを入れてくるOSを保存するのには向いていません。一方 WD-青は今までのHDDと同じ書き込み方式なので同じような寿命が期待できます。

SMR方式の強みは2つで、円盤1枚に書き込める容量の大きさと、 円盤を少なくできることによる価格の安さです。そのため写真や動画を大量に入れておくデータ保存用に向いています。巨大倉庫のような感じです。

耐久性はどちらも同じ程度です。保証期間がどちらも2年ということを考えますと、1つのHDDにデータを全部移し替えて 何年も保存しておくのは不安が残ります。

重要なデータだけは別途コピーしておく事が必要です。

容量を気にせず録画が可能

4TBなら連続788時間録画

1080P 60FPSの高画質でゲーム画面を録画してみた所、1時間に4.5GB消費します。4TB(実質3.55TB)で計算すると788時間、1ヶ月ぶっ続けの録画が可能になるので、普通に録画しっぱなしで遊べます。もはや残りの容量を気にする必要がないです。

ウィッチャー3みたいな大作RPGでも 最初から終わりまで録画しても余るので、ゲームをフルで録画したい場合に便利です。

スピードは大差なし

ウワサではSMR方式はランダムな書き込みに弱いとされていますが 実際にテストしてみた所「スピードは心配しなくていいんじゃないだろうか」というのが 私の実感です。

少なくとも動画やファイルの保存先だったら心配しなくていいです。

Seagate BarraCuda ST4000DM004

2019 Seagate バラクーダ
(ST4000DM004)

WD20EZRX

2013年 WD GREEN
(WD20EZRX)

CMR方式

SATAケーブルでつないで、クリスタルディスクマークで測定。連続 読み書き込み速度は190~200MB/s程度でした。 

こちらはシーケンシャルで101~126MB/s程度出ています。

2つとも5400回転で性能は似たりよったりです。現状バラクーダの方が速いです。

連続・ランダムな読み書きスピードに目立った差はありません。Amazonでレビューを上げてくれている方とほぼ同じ結果になりました。

ただ SeagateのHDDはまだ使い始めなのでプラッタの外周を使っていると思います。これが終盤になってきて 内側を使うようになるとスピードが落ちて、最低70MB/s程度まで落ち込むらしいです。しかし それでも動画書き込みには問題ないスピードです。

温度は8時間連続で録画してみたところ 室温29度、ドライブは38度 最高で43度と低発熱でした。プラッタ2枚だけあって やたら静かなのが個人的には うれしい所です。

SMR方式の弱点はランダムアクセス速度ではなく、頻繁なデータの書き換え

スピード対策はしていたSeagate

円盤の部分部分にランダムに書き込みをするという場合、シーゲイト製は円盤の最外周の部分にCMRのトラックを配置しているので、その部分にランダムにデータを書き込むので 遅くならないようです。

この部分がおおよそ23GBもあって、この領域の23GBが枯渇すると それ以降は遅くなると言われています。しかし 日常使いで「256kbくらいの細かいデータを円盤のあっちこっちに23GB分 書き込んで。」みたいな命令は まず無いので よっぽどのレアケースだと言えます。 

開発の人が語っておりますが SMR方式は頻繁な書き換えに弱いので、毎週のようにちょこちょこデータを書き換えるようなものには向いていません。

Amazonレビューでは 1年2ヶ月でPC立ち上げが遅くなったとレビューが上がっています。HDDのチェックに時間がかかるとのことです、OSを入れる場合は 総書き込み量:TBWの多いSSDか 高耐久HDDの方が良いです。

一方 HDDに動画データが溜まって、不要なのをまとめて消して また溜めるというのは大丈夫です。実際そんな感じでつかっていますが 何の問題もありません。

そんなわけで SMRは順調に稼働中

Seagateとしては OS保存用ではランダムアクセスに強いSSDには勝てないということで、それならデータ保存庫を目指すべとなり 新技術のSMR方式に方向転換をしたようです。

確かに CMR方式よりも 安くしてくれんかなという思いはあります。値下げはこれからなのかもしれません。

ただASTCロードマップを見る限り 今後6TB、8TBと大容量になるにつれて SMR方式、16TB以降はHAMR方式が主流になるようです。

買う前はランダムアクセス速度がどんなものか不安でしたが、ゲーム動画を保存するのには 目立った欠点もなく、4TBでこの安さなので 個人的に満足しています。

豪快なAmazon

AmazonはHDDだからといって容赦なく、こんな感じで豪快に送ってくるのですが、無事に動きました。SMART情報で確認した所 代替処理済みのセクタ数もゼロで 安心です。

もし異音がしたり動かなかった場合は無料で返品できますし、代替品が速攻で送られてくるので なんだかんだ一番 便利かなと思います。

箱の内側はエアパッキンで保護されているだけですが、ある程度 大丈夫なんだなと驚きです。

耐久性については、まだあまり経っていないのでわからないというのが正直なところですので追ってレビューしたいと思いますが、2年以上は余裕で持ちそうな感じがします。

(2020年7月 追記)1年が経過しましたが 無事健在です。


スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする