【書籍の感想】秋本治の仕事術

秋本治の仕事術 『こち亀』作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由

こらー両津ー! 終了から3年

そのむかし 秋本先生は情熱大陸にでていた。それを見た時、なんかタモリっぽいと思っていて、書籍も読んでみたいと思っていたので即買い。

結論から買ってよかったと思った。40年の秘伝が詰まっているので クリエイターの人は特にお守りになるんじゃなかろうか。

なおこの記事は 学校で友達に見せてもらう まとめノートなみに適当です。秋本先生の本書には到底及ばないので すみません。


なんで40年も漫画が描けたの?
基本的に新しい物好き。100巻くらいから、もう化石になったPHSとか、電子手帳が登場しているわけなんですが、そういうのも時代の変化として書くことに意義があると思って。もちろん後で見返すと時代を感じるわけですが、たしかにそういう時代があったよと、その時代を描いたわけですね。


最短で成功するにはどうしたら?
最短なんてコースはない。いろんな仕事をめんどくさがらずにやってたら、なんか花開いたという感じ。

200巻というのは狙ってた?
全然。目標と言うのは小さく立てるほうがいい。達成できそうな小さいやつをいっぱい作る。それをいっぱい作って超えていくのが 大きな目標を達成するコツ。学生だったら卒業したら ああしようという計画があって、それを達成したらまた次の目標をたてる。人生はその連続。こち亀の10巻で一応の目標は達成した感じはあったけれど、それは区切りで、また新しい目標を立てて描いていたという感じ。

役に立たない人とも付き合うのが大事
こいつは使えるから付き合う、こいつは使えないから見切りつけるというのでは結局損をすることが多い。最短で成功したいなら 逆に幅広く付き合うことが大事。落とし穴。

意見が違う時は具体物で説得
こち亀で交番周りの出来事ばっかりやってても 絶対ネタは尽きるから 徐々に行動範囲や人脈を広げた。50巻くらいから変化が大きくなるわけだけど、すでに読者が付いているもんだから、無理に変えるなと編集者と意見が違う時もあった。で、話が進まない時は 具体的に こういう風に進めますと ネームなどの具体物を出して説得する必要がある。そこまで考えてるっていう熱意を見せるのは大切。

自発的な興味、楽しさが発信の原動力。

「仕事やネタ作り、勉強のために体験を増やしているの?」

いや、新しい体験が楽しいので、勉強のためにするという感じではない。でも楽しい体験をどう漫画にするかは考える。テレビやラジオをみててなんか面白そうなものを見つけたら どんな風に見せるか考え始める。 こんな風にするか いやこっちがいいかとワクワクするわけです。実体験は楽しんでいるだけ、その楽しさを自分だけのものにするにはもったいないので みんなに広めているという感じ。自発的な興味や楽しさが発信の原動力。

ネームの細部にこだわりすぎない
ネームは漫画の下書き なのでだいたいにしておく。過去に言ったことと、ネタがかぶってしまうこともあるかもしれないが、その都度振り返っていたら 時間が犠牲になるので、とりあえずネームを先に完成させる。

取材は足で。
漫画を作る時に 取材に行くけど A・B・Cさんに取材を申し込んだら 返事の早かった相手先から回る。Aさんの返事を待っていたらロスになる。それからネットで情報を集めるのではなく 現地の人に話を聞く。予想していなかった事まで教えてもらえたりするし、足で稼いだ情報は記憶に残る。

アンチの意見は何を言ってもスルー。
発信したり、ものを作る仕事をしていると、揚げ足を取ってくるのが現れる。しかし そういうものだと思っている。万人が満足の行く作品なんてない。

「ここが駄目」「あれが駄目」といい加減な意見に反応して右往左往したら作品がますます駄目になってしまう。批判を冷静に受け入れられるならいいけど、アンチの突飛な意見は役に立たない。ネットでは特に誹謗中傷がしたいだけの類も多いと聞くから そういうのは見ない。褒めてくれる人の期待に応えようとするのが建設的。

切り抜きストックは大事
気になる雑誌記事は切り抜きしている。有機ELの実用化とか、ネタになりそうなものはスクラップにして、そこからこち亀の作品が生まれたりする。

ラジオは使える
アウトプットばっかりしていると ネタ切れになるのでFM放送を流しながらやっている。テレビだと目をとられるが、ラジオだと聞きながら作業ができる。

運動は好きなこととセット
お医者さんに健康のために歩いてとか言われるけれど インドア派だから続かない。カメラは好きなので取材が運動。取材なら歩ける。


こち亀は不滅

こち亀がもし続いていたなら タピオカ屋とかYoutuber、あるいは個人運送会社、Google Stadiaや電子決済なんかを扱ってそう。両Payとか無理やりつくって、ハッキング攻撃で残高全部吹き飛ぶみたいな。

こち亀が終わっても「なんとなくこういう事をしてそう」と思わせるだけのインパクトを残したのが本当に凄い。もはや読者の中にそれぞれの両津勘吉がいるのかもしれません。

この本の考え方は読んでいて誠実さを感じるし、まっとうなので 目次を見てるだけで方向が改まる感がある。

40年を勝ち抜いたきた師匠が  方位磁石のように何かをガイドしてくれているような そんな気がするわけです

そんなもんで、お守りに近い。これは本棚に置いて眺めておくだけで なんか ご利益がありそう。帯からして 頑張れよ的なエールを送っているので、なんかありがてぇ…と思うわけです。

最後の漫画もなんか感動。やっぱり先生の中で こち亀は不滅なんだなと思いました。


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