低価格帯の雄
ミュージシャンが歌う時に耳につけている 解像度の高いモニターイヤホン。そのフィールドに約2000円という衝撃価格でデビューしたのが 伝説のZSTでした。
それまで高くて買えなかったモニターイヤホンShureの牙城に、KZはZSTで斬り込み、評判が口コミで広がり大ヒットとなりました。
そんなわけで日々進化を続ける KZ社の主力イヤホン 歴代ZSシリーズについてまとめてみました。 販売開始日時、ドライバ構成、再生周波数、音圧を一覧にまとめています。
Q&A 正規価格って何ですか? ZSシリーズの進化をざっくり教えてください このモデルから高音再生ができるバランスド・アーマチュア(BA)型のドライバを搭載したことで、最大40000Hzのハイレゾ対応イヤホンを作るメーカーに変身しました。
KZイヤホン進化の系譜
どれが人気? |
歴代ZSシリーズ 比較表
登場日 | ZSシリーズ | 正規価格 | 構造 | 周波数 | 音圧 |
2016/3/15 | ZS1 | 生産終了 | 2DD | 15-29000Hz | 99dB |
2016/8/1 | ZS2 | 生産終了 | 2DD | 15-29000Hz | 98dB |
2016/12/3 | ZS3 | 14.93ドル | 1DD | 20Hz-20000Hz | 106dB |
2017/6/27 | ZS5 | 生産終了 | 2DD+2BA | 20Hz-20000Hz | 106dB |
2017/9/4 | ZS6 | 33.80ドル | 2DD+2BA | 7Hz-40000Hz | 105dB |
2018/12/22 | ZS7 | 表記なし | 1DD+4BA | 7Hz-40000Hz | 105db |
2018/3/29 | ZS10 | 31.65ドル | 1DD+4BA | 7Hz-40000Hz | 104dB |
2019/4/11 | ZS10 Pro | 38ドル | 1DD+4BA | 7Hz-40000Hz | 111dB |
2018/3/30 | ZSA | 16.8ドル | 1DD+1BA | 7Hz-40000Hz | 101dB |
2018/2/21 | ZSE | 表記なし | 2DD | 20-45000Hz | 99dB |
2016/9/26 | ZST | 15.02ドル | 1DD+1BA | 20Hz-40000Hz | 120dB |
2017/4/21 | ZST Pro | 14.55ドル | 1DD+1BA | 20Hz-40000Hz | 106dB |
2020/6/24 | ZSTX | 17ドル | 1DD+1BA | 20Hz-40000Hz | 107dB |
2018/1/23 | ZSR | 18.60ドル | 1DD+2BA | 10Hz-40000Hz | 107dB |
2018/10/24 | ZSN | 16.5ドル | 1DD+1BA | 20Hz-40000Hz | 104dB |
2019/3/28 | ZSN Pro | 16.9ドル | 1DD+1BA | 20Hz-40000Hz | 112db |
2020/7/22 | ZSN ProX | 21.12ドル | 1DD+1BA | 20Hz-40000Hz | 112db |
2019/8/22 | ZSX | 45.18ドル | 1DD+5BA | 7-40000Hz | 111dB |
「プロとXの違いって?」
ZST…標準 ZST Pro…低音強化版 ZSTX…ZSNの新ドライバ版(詳細)
ZSN…ZSTを金属シェル化 ZSN Pro…低音強化版 ZSN ProX….ZSN Proの新ドライバ版
音源を比較してみました
自分で ZST(約2000円)、ZSN(約2200円)、ZS10(約4000円)の順に録音してみました。フリー音源のラデツキー行進曲を USBマイクで録音しています。
ZSTは巷ではいいといわれていますが、個人的にはパワフルさが足りなくて、後継機のZSNの方がメリハリがあるように思います。ZS10は価格が違うため比較になりませんが、音に広がりがあるのが 割と分かりやすいかと思います。
短くして比較してみました。ZST→ZSN→ZS10の順です。こっちのほうが分かりやすいかもしれません。
今年 オススメの3機種
KZ-ZSTX 実勢2000円
| ○2020年6月に登場。定番ZSTを大幅にアップグレードして低音を強化した 発売されたばかりの新型モデル ○2重磁気構造の新型DDと 30065BAを採用し、ZSTよりも低音の迫力が出るようになり さらに完成度が高まりました。(ご参考) ○付属ケーブルを無酸素銅から 銀メッキケーブルに変更。より繊細に信号を拾うようになりました。 (総合)全体的に音のまとまりは良くカラーリングもユニーク。ド派手なプラハウジングで通勤にはあまり向かないかもしれませんが、KZを代表する一台と言っても過言ではありません。 |
2020年7月に登場した新型機。ZSN Proの後継機種。 ○ZSTXと同じ新型DDと30065BAの構成。金属シェル構成で耐久性と遮音性を向上させたモデル。 ○カラーはゴールド・ブラックの2種類。 ○ これも付属ケーブルを無酸素銅から 銀メッキケーブルに変更。より繊細に信号を拾うようになりました。 |
KZ-ZS10
| ○合計5台(DD1+4BA)のドライバを搭載した本格的な設計。 ○高音をBA2台+ 中高音をBA2台で担当し、低音から高音まで隙がない万能イヤホン。 △本体の重量が片側5グラムと、やや重いのが難点だけれど 2週間くらいすると慣れます。(レビュー記事) |
トリビア: なんでBAハイレゾイヤホンは いきなり安くなったの?
2016年まで モニターイヤホンは ShureやSonyくらいしか販売しておらず、一部のアーティスト以外は みんな普通のダイナミックイヤホンを使っていたわけですが、ハイレゾブームがやってきて ハイレゾイヤホンの需要が急増。
しかし ハイレゾイヤホンには高音域を担当するバランスド・アーマチュア型ドライバが不可欠でした。
しかし高音域を担当するBA型ドライバは2社(Sonion、Knowles)がシェアを独占。そう。BA型のイヤホンが高かった原因の1つは部品が高かったからでした。
そこに現れたのが中国のBellsing社。
同社はBAドライバの価格を破壊。安価で高品質なBAを販売し、KZ社はBellsingのドライバを搭載することで格安で高品質なハイレゾイヤホンを製造するようになりました。
BellsingとKZはBA型イヤホン界の救世主で 安価で一級品のモニターイヤホンを製造し続けています。
980円KZ ZSE 異端児デュアルドライバーイヤホンをレビュー
【2000円でハイレゾ級】 中華モニターイヤホンKZ ZSNをレビュー