電気シェーバーにはオイルが付属していないこともあるので、「別にオイルはいらないんじゃないの?」と思っていましたが、オイルメンテナンスがないと刃が錆びやすく、結局損な事ががわかりました。
ステンレス材でも被膜が破れたらサビる
各社のシェーバーの刃にはいわゆるステンレス材が多く使われており、これは鉄とクロムの合金をベースにニッケルやモリブデンなどの元素を加えているため、錆びにくくなっています。
クロムの皮膜のお陰でステンレス鋼はサビに強いわけですが、この被膜は薄いので、傷がついたりすると被膜が破れ、そこから錆が発生してしまいます。
また、海辺の車のバンパーが錆びやすいように、ヒトの肌からも塩分が出ますので気温が上がりやすい夏場は、シェーバーの鉄分と反応して、錆びやすくなります。
Q.なぜシェーバーにオイルが必要なの?
A.シェーバーの刃を水分や塩分から守るため。
シェーバーをサビさせる犯人は、刃にくっつく水分や塩分です。これらが刃と化学反応してサビるので反応させないためにオイルが必要です。
サビの発生のメカニズム(水の場合)
刃についた水が鉄イオンと反応してサビが発生
①まずシェーバーの刃に水分がつきます。
②刃に付いた水と空気中の酸素が反応します。
③すると刃についた水分が刃の中から電子とFe3+(鉄イオン)を勝手に取り出します.
④水分中のOH-(水酸化物イオン)と鉄イオンが結合してFe(OH)3が発生
⑤水分が蒸発して、サビ(Fe2O3)が発生します
難しいわね、一言で言うと?
A.鉄に水分が付いたままだとサビます。
湿気が多いと勝手に水分がつくのでお風呂場や夏場はサビやすくなります。
ドライ剃りでも、湿度が60%を超えてくると刃を水分が覆うのでご注意を。
夏場や洗面台においていたT字が勝手にサビる原因はこれだったりします。
刃をサビから守ってくれるオイル
しかし、もし刃をオイルがコーティングしていたら、水は油を通過できないのでシェーバーの鉄イオンを取り出すことができません。
シェーバーのオイルは簡単に蒸発してもらっては困るので、以下のようなほとんどのシェーバー用オイルには「流動パラフィン」という揮発しにくく、人体にやさしい油が主成分として使われています。
パナソニックのオイルにはエタノールがまぜられているので殺菌作用もあったりします。
パナソニック | イズミ | 日立 |
Vシリーズのシェーバーメンテナンスの流れ
(イズミのシェーバーマニュアルから)
最後に、防水シェーバー イズミVシリーズのメンテナンスの流れをご紹介します。
①髭を剃る |
②電源を切る |
③イズミシェーバーにハンドソープ等をつける 泡石鹸のほうが便利(洗浄・消毒・殺菌) |
④15秒くらい内刃を動かす |
⑤外刃を外して、流水で流す。 |
⑥タオルやキッチンペーパーで水滴をとる(水分を除去) |
⑦自然乾燥させる |
⑧外刃・内刃にオイルを塗る。 |
オイルをさす頻度
オイルをさす頻度についてイズミのカスタマーセンターに目安を質問してみました。
丸洗い可能なイズミシェーバーの場合
・ドライシェービングの場合は1週間に1回程度。
・ウェットシェービングの場合は、オイルの被膜がとれるので
その都度オイルをつけると良いそうです。