2019/7/7 AMDは最大12コアとなるCPU:Ryzen 3000シリーズとGPU:Radeon5700シリーズを発売しました。約1年3か月ぶりのシリーズ刷新です。
PCIe 4世代対応と7nmプロセスのノードを兼ね備えた初の製品となります。
現時点のラインナップは6種類です。9月にはいよいよ16コアのRyzen 9 3950Xを控えています。2020年には FF7を4K60fpsで遊べる期待が高まります。
Ryzen 5 3600:6コア/12スレッド |
7nmプロセスってなんですか?
7nmはCPUに張られている回路の幅のことです。
Ryzen 1000シリーズは14ナノメートル
Ryzen 2000シリーズは12ナノメートル
今回は7ナノメートル(100万分の7ミリメートル)で回路を作っています。めっちゃ細い。
回路が細くなると それだけ低消費電力になったり、性能が上がったりします。
今回は 7nmの実現で、従来と同じ電力消費で125%の性能になりました
動画のエンコード時間を比較
数値参照:GAMERS NEXUS
Ryzen 3000シリーズは動画編集スピードがマジ速い
上は動画編集ソフト Adobe プレミアプロで 1080P60FPS設定で1時間の動画をエンコードした場合 どれくらいの時間がかかかるのかの比較表です。
これは私が使っているRyzen5 1600ですが、これだと70分くらいかかる動画編集が Ryzen7 3700Xだと40分で終わります。
なんということでしょうか..同じサイズなのに性能が違いすぎる! しかも約32000円で58000円の インテルi9-9900Kと同等 Ryzen9はさらにその上の性能という恐ろしさです。
続いてゲーミング性能を見てみましょう
3900X vs 9900Kの戦いは i9が勝利
アサシンクリードオリジンズからF1 2018までを比較した結果、ゲーム時に最も高いFPSを出していたのは まだIntel i9-9900Kでした。Ryzen9 3900xは15%程度及びませんでした。
Tech spotさんが測定した記事でも Ryzen9 3900xのFPSは i7-8700K、9700K、9900K に届いていません。高いfpsを出したい場合はインテルシリーズのほうが向いています。
ただRyzenシリーズもそこまで離されているわけではないし、だいぶ安いので「そこまで高くなくてもいいや」という場合は向いています。
それぞれの平均fpsは以下のようになります。
RYZEN5 1600 | RYZEN7 2700x | ryzen5 3600 | ryzen7 3700x | ryzen9 3900x | Intel i9-9900K | |
平均fps | 112 | 138 | 150 | 155 | 164 | 180 |
性能差 | 0 | +23% | +34% | +39% | +46% | +61% |
平均fpsからおおよそのゲーミング時のパフォーマンスを割り出すと、Ryzenシリーズの中ではRyzen9 3900xが最も高く Ryzen5 1600と比較しておよそ1.46倍の性能になりました。
コスト的にはどれが安いのか
最後にtech spotさんが測定した ゲーム9種(1080P)のFPSを価格で割って、1フレームあたりの値段を計算してみます。
平均FPS | コスト/フレーム | 市場価格 | |
Ryzen 5 1600 | 112 | 120円 | 12,910 |
Ryzen 5 1600X | 113 | 147円 | 16,637 |
Ryzen 7 2700X | 125 | 231円 | 28,880 |
intel core i5 9600K | 135 | 232円 | 31,311 |
Ryzen 7 1800X | 118 | 260円 | 30,684 |
Ryzen 7 3700X | 134 | 297円 | 39,800 |
intel core i7 8700K | 141 | 309円 | 43,540 |
Intel core i7-9700K | 147 | 318円 | 46,700 |
Ryzen 9 3900X | 135 | 443円 | 59,800 |
右軸にfps 縦軸にCPU価格÷フレームでお得度を計算しています。
線から下に有る方が安い割に高いfpsが出る、お得度が高い製品です。
Ryzen7 3700Xが 価格の割に性能がよい
コスト/フレームがもっとも割安なのは 第1世代の Ryzen 5 1600や1600Xでした。
期待のRyzen 9 3900XはIntel core i7-9700Kほどのパフォーマンスが出ておらず、ゲーミング用としては 現在かなり割高感があります。
むしろRyzen7 3700Xが 価格の割にコストパフォーマンスがよいという結果になっています。各種ランキングでも上位に来ています。
ミドルレンジCPUではRyzen 7 2700などの旧型にお得感があります。
CPUに詳しいGAMER NEXUSさんの3000シリーズへの見解
“Ryzen 5 3600は同じ価格のインテルとのライバル機よりは優れています。ただし、セール時にRyzen7 2700を購入してそれをオーバークロックしたほうがより良い数値が出ます。
動画編集ソフト Adobeプレミアの1080pのレンダリングでは、オーバークロックさせた2700Xで4.3分という結果が出せました。これは約200ドル程度です。
3900Xに関しては、高いfpsを出したい ゲーミング用途としては、引き続きインテルシリーズが良いです。
3900Xはゲーム向けのパフォーマンスも悪くはないですが、どちらかというと制作向けのCPUで、動画を編集したり、3DアニメーションやモデリングでCPUを使ってレンダリングをしたい時に向いています。
その作業のついででゲームもするという場合にはいい選択だと言えます。「ゲームだけする」という場合は9900Kやインテルシリーズのほうが良いでしょう。”
Ryzen 5 シリーズ比較表
第2世代 | 第3世代 | 第2世代 | 第3世代 | |
Ryzen5 2600 | Ryzen 5 3600 | Ryzen5 2600X | ||
CPUコア数 | 6 | 6 | 6 | 6 |
スレッド数: | 12 | 12 | 12 | 12 |
最大ブースト・クロック | 3.9GHz | 4.2GHz | 4.2GHz | 4.4GHz |
基本クロック | 3.4GHz | 3.6GHz | 3.6GHz | 3.8GHz |
キャッシュ | 16MB (L3) | 35MB | 16MB (L3) | 35MB |
付属クーラー | Wraith Stealth | Wraith Stealth | Wraith Spire | Wraith Spire |
TDP | 65W | 65W | 95W | 95W |
ソケット | AM4 | AM4 | AM4 | AM4 |
北米価格 | $199 | $199 | $229 | $249ドル |
発売日 | 2018年4月19日 | 2019年7月7日 | 2018年4月19日 | 2019年7月7日 |
Ryzen7,Ryzen9 第3世代比較表
第1世代 | 第2世代 | 第3世代 | ||||
Ryzen7 1700X | Ryzen7 1800X | Ryzen7 2700x | Ryzen7 3700X | Ryzen7 3800X | Ryzen9 3900X | |
CPUコア数 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 12 |
スレッド数: | 16 | 16 | 16 | 16 | 16 | 24 |
最大ブースト・クロック | 3.8GHz | 4GHz | 4.3GHz | 4.4GHz | 4.5GHz | 4.6GHz |
基本クロック | 3.4GHz | 3.6GHz | 3.7GHz | 3.6GHz | 3.9GHz | 3.8GHz |
キャッシュ | 16MB (L3) | 16MB (L3) | 16MB (L3) | 36MB | 36MB | 70MB |
付属 クーラー | – | – | Wraith Prism with RGB LED | Wraith Prism with RGB LED | Wraith Prism with RGB LED | Wraith Prism with RGB LED |
ソケット | AM4 | AM4 | AM4 | AM4 | AM4 | AM4 |
TDP | 95W | 95W | 105W | 65W | 105W | 105W |
北米価格 | – | – | – | 329ドル | 399ドル | 499ドル |
発売日 | 2017年3月2日 | 2017年3月2日 | 2018年4月19日 | 2019年7月7日 | 2019年7月7日 | 2019年7月7日 |
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