プーチン大統領は3月11日、ウクライナが激しく抵抗する可能性があることを 警告しなかったとしてFSB(元KGB)の対外情報部長を自宅軟禁にした。
FSB第5局はウクライナ情勢の報告を参謀本部に提供する役割を担っている。その第5局トップであるセルゲイ・ベセダ大佐(68)とその副官アナトリー・ボリュフ氏は、ウクライナでの破壊活動と潜入捜査に割り当てられた資金の横領、また侵攻にあたっての虚偽の情報提供を行った疑いで逮捕されたようだ。
プーチンが気に入るような報告を上げ続けた結果…
FSBのアナリストとされる人物がfacebookに投稿をした内部告発文書によると、FSBが官僚に上げるレポートはウクライナの実態に即したものではなかったようだ。
例えば「ウクライナの武装は近代化されており ロシアが攻めるのは困難」のようなネガティブな報告を上げると職務怠慢という事で処罰の対象になってしまう。
そのため 報告書はロシア政府にとって「こうだったらいいな」的な ポジティブな内容にせざるを得なかったとしている。
今回の侵攻に先立ってFSBは 「ウクライナは弱く、ネオナチ集団が蔓延しており、攻撃されれば簡単に降伏するだろう」と報告したとされている。
ところが侵攻から3週間が経過、ウクライナでの戦争が遅々として進まない上に、ロシア兵の犠牲者が増え続けていることでプーチン大統領は激怒。最高司令官を解任しFSBを非難している模様だ。
ロシア諜報機関に詳しいジャーナリストであるアンドレイ・ソルダトフ氏は、FSB内部の情報筋からベセダ大佐は11日金曜日に逮捕されたと聞いたとしている。
ソルダトフ氏は以前、タイムズ紙に対し、FSB諜報員の大部分は、両親や祖父母が諜報員だったという理由でコネ採用され、主流の教育機関を経ずに 社内で教育を受けていると語った。これはエリート大学から採用し、トップの人材を確保する傾向がある西側の安全保障サービスとは異なっている。
(侵攻3週目)ロシア軍 南部の兵士にやる気は無く 焦った将校が前に出て死ぬという地獄