シン・ゴジラが特撮の中での傑作だとすると、 シンギュラポイントはゴジラアニメの中の傑作になるだろうと思っているところです。見るべきは円城さんの飽くなき好奇心で、その分身がメイちゃんユンちゃんだと思います。
官僚や官邸主導じゃなくて、 理学部の院生と町工場のエンジニアたちが 「ああでもない」「こうじゃね?」「とりあえず試しにやってみっか」とジタバタしているのが楽しい。
脚本担当の 円城さんは 東北大学→東大→エンジニア→脚本家ってもうSF書いてもらうのに最高。
ゴジラがコロナのメタファーなのかは分かりませんが、データを集めつつ 考察して 実験して乗り切ろうやっていう所が好き。
政治家に頼っていてもだめだ、危機に対処するには 他人にブーたれてないで 自分の悟性で動けってことかもしれない。そういう裏メッセージだったらええな。OPからもそんな感じする。
ここは謎の部分を整理しつつ「この先 こう展開するんじゃねーか?」と妄想を垂れ流す俺得のページです。
4話まで視聴しました。
オオタキファクトリーってどんな組織よ?
社長(おやっさん)が資材をつぎ込んで 地球を守るためにロボットを製造している会社。作業用ロボット、ドローン、サプリメント、会計ソフト、人工知能を開発 修理 販売しているらしい。
おやっさんが何で地球を守ろうと思い立ったのか、どんな経緯で社員(さとみ、加藤侍、有川ユン )が集まってきたのかは謎。社用車がクラシックで儲かってそうな感じはある。
ミサキオクってどんな施設?
旧嗣野(つぐの)地区管理局。局長は山本常友というハゲた小太りのおじさん。地下にゴジラと思しき恐竜の骨を保管している。ラドンを呼んだきっかけとなる信号がここから送られたらしい。おやっさんは宇宙人からの電波を受け取る施設だと思っている
ラドンはなんで逃尾に襲来した?
ミサキオクから流された電波(インドの曲)に引き寄せられたようだ。ラドンは電磁波で誘導することもできるので確かっぽい。電波が流れた原因は ミサキオクの地下にある骨に反応しアラートが出た事によると思われる。ただ、どういう基準でアラートが鳴るのか詳しいメカニズムは分かっていない。
ラドンの形変わってね?
変わってる。一回目はクルマより はるかに大型でハシビロコウみたいな見た目。飛行も上手くなく、十分程度で死亡。2回目は鳥に似ており、くちばしが尖った上に小型化した。 しかも3700匹の群れで内陸まで飛んで死亡。ラドン2代目の方が長生きだった。
骨周りの赤い粉って何よ?
ラドンとゴジラの死体の周りに出る。人体に影響はないらしい。とはいいつつミサキオクの人は防護服を着ていたので本当に影響はないのかというと怪しい。詳しくは何も分かってない。良くわからない分子の集合体で、活性/不活性状態があるらしい(4話)アーキタイプと関係がありそう。
ラドンからアンギラスまで短時間で進化した?
それっぽい。
ラドン2代目は海中で発生し、鳥型に進化して飛行して沿岸に到達。(3話)体内にはエラのような器官があった、4話で登場したアンギラスはラドンの死体置き場から移動して 4足歩行に進化(変容)した。
つまり 短期間で 魚→鳥→爬虫類みたいに変化している。アーキタイプっていう物質の性質は明かされていないけれども あの赤い粉は時間を早回しする物質なんじゃなかろうか。
ラドン(初代、2代目)はなぜ死んだ?
可能性1.日光が遮られて死んだ。
ラドン初代は夕暮れになって空に舞い上がって死んだ。ラドン2代目は雨雲が出てきて日光が薄くなってから死んでいる。太陽が放出する電磁波を体に受けないと生きていけないのかも知れない。
可能性2.老化で死んだ
ラドンは急速に年をとって 老衰で死んだ。ものすごい勢いで進化するとしたら 体内時間が早く進んで短命なのかも知れない。
可能性3.環境に適応できずに死んだ
エラ呼吸のまま陸に上がってきた魚が死ぬような感じ。
でもラドン初代は最初の数十分は元気に暴れまわってるのに 急に上昇飛行して死んでいるので どの部分で適応できなかったのかという疑問は残る
これは最終話見てから 答え合わせしたい。
ラドン初代が死んだ時になんで熱くなったのか?
生きているうちも熱かったのか、それとも死んでから熱くなったのかは分からないからなんとも言えないんだよね。発酵熱みたいな感じなのかも知れない。普通は死ぬと死体は冷たくなる。でも冬のウンチ溜めから湯気が出るように、微生物が有機物を分解すると70度から80度程度の熱が出る。死んだ瞬間に微生物が猛スピードで死体の分解を始めたら 高温になるんじゃなかろうかと予想。
あるいはシン・ゴジラのように 体内エネルギーから発生する熱源を放出できずに熱で死んだとかかもしれない。
アーキタイプって何よ?
架空の物質。夢の新素材。軽量、割れにくい まげ伸ばしに強い 伸びやすい。
たまに自己再生する。光を閉じ込めたり増幅できちゃう。
どんな分子とも似ていない。可能な分子の配置を総当りで見つけるしかない。(4話)
アーキタイプは物語の謎の中心に位置する要素。
ガンダムで言うミノフスキー粒子、エヴァで言うATフィールド。
今後の展開予想
「円城さんならゴジラはどうやって生まれたのか味付けしてくれるはずだ」
倒し方
怪獣を撃退するっていうよりも どうやって理解 対処 制御するのかっていう話になりそう。ジェットタイガーでゴジラを倒せるはずもなし。
いやゴジラとは当然戦うんだけれども、アメリカ映画のようにゴジラを火力で圧倒するというのは見せたいところではないと思う。
むしろ どうやってゴジラの内部構造に迫る、アプローチするかっていう話になるのかな。
怪獣(ゴジラ)がどのようにして生まれたのか、ゴジラを支えるエネルギー源や習性を メイちゃんとユンちゃんが調べて辿っていく話なんじゃないかと思う。そもそも メイちゃんは「殺しちゃったら観察できないじゃないですか」とかいいそう。
シン・ゴジラは血液凝固剤を飲ませることで ゴジラ内部の超高熱かつ高圧の核融合炉を止めたって事になっているんだけど 、そもそも核融合炉をお腹に抱えた生物がいる時点でおかしいし、
凝固剤の成分が 超高熱に耐えきれるはずもないっていう所で大ウソなんだけれども、問題はそこじゃなくて 嘘つきまくってドリームを見せている所が面白いわけである。
旧作に比べるとちゃんとしてる
SP見たあとで 最初の劇場版ラドン(1956)とか見てみるとひどい。阿蘇の炭鉱で掘ってたら いきなりラドンがでてくる。なんで炭鉱から翼竜が出るんだろうか。翼竜だったら 沿岸から沖合で魚食ってただろうし。子供向けにしたってリアリティがない。
そういう手抜きをやめて 2020年代に怪獣がもし出てくるとしたらという条件を真面目に考えなおしたって所が粋だ。
じゃあ最近のはどうだと見てみると ゴジラVSコング(2020)のストーリーもひどい。詳しくは言わないけど、コングが斧て。光線で温めるとか、アメリカンに ゴジラはこう映っているのかと思って あ然としてしまう。
ガルパンやGレコみたいな圧倒されるアニメは ストーリーはウソっぱちなんだけれども ウソの話にしても 物語を支えるテクノロジーがしっかりしている。そのコマの一瞬の 熱量が伝わってくる。
だから 「あー、この前提だったらワンチャンありえる話かもしれない。」っていう感じがして、見ていて引き込まれてしまう。
手に余るアーキタイプをどうするか?
ゴジラSPもそういった 作り手の熱を感じる。いや もちろんウソ話なんだけれども、もしアーキタイプみたいな物質があったとしたら、もしゴジラやラドンのような巨大生物が生まれてくる土壌があるとしたら もし未来が見える動物がいるとしたら、それは どんなメカニズムなのかって考えるのは楽しい。
恐らく赤い粉とアーキタイプはつながっていて、アーキタイプは無限のエネルギーを引き出せるので、ゴジラの動力源になるのはほぼ確定だろうし、あとはどうやって機能停止させるのかという話になっていく可能性は高そう。
それよりも アーキタイプを利用して 未来が見えるとしたら もう株式、為替、賭博、保険の仕組みがまるっきり成立しないだろう。 ひっそりと封印した理由はそういう所にあるんだろうかという気がしないでもない。
それでも 無限のエネルギー源を独占するために、スーツ着たおっさん達が奪い合い&殺し合いを始めて、 最終的にアーキタイプを人類がどう活用・管理していくのかって話になりそうな気がする。
ミサキオクの設立者は不明だけど 設立までの経緯と、結局あの骨がなんであんな形で人目につかないように保管されているのか 「それには深い理由があったのだ!」
…と分かる あるいは匂わせるのが 13話ラストなんじゃないか、そうであってほしい。
というわけでシンギュラポイントはゴジラ初のテレビアニメシリーズ。今の所 ネットフリックス独占配信なので 是非毎週見ようね!
円城さん ゴジラの次 なにやるんだろうなー。