【薬屋のひとりごと・考察】第30話 「下女の扱いはリアルだけど、これ侍女頭は逃げ切れた」

シーズン2エピソード6 「第30話 みたび、水晶宮」なんだけれども今回のエピソードは 少し大味だったと思う。
状況証拠だけで  杏の自白が決め手っていうのは ちょっと残念。

下女の扱いはリアル

水晶宮で働く 下女の一人 思思が キャラバンがやってきた時期から 熱を出し、奇妙な咳をするようになった。顔なじみだった 後宮の外の診療所の婆さん(深緑 シェンリュ)は  思思に「1回休みをもらったほうが良い」と勧めたが それっきり下女は現れなくなり半月がたった。

婆さんはマオマオに頼んで思思に薬を作るようにお願いする。下女は 恐らく水晶宮の侍女頭の杏(シン)に相談に行った。しかし 感染拡大防止を理由に そのまま倉庫に軟禁されたと思われる。

 

 「思思が軟禁されたのは 現代の目で見ると、かわいそうなんだけれど、当時の下女は使い捨てシステムなので、軽い処置で治らなければ追放だったらしいのよ。 だから四夫人の近くで こんな重病の下女を置けたのかは 正直微妙なところがある」

物語の都合上、 侍女頭の杏は自分のほうが 皇帝の妃に相応しいと思っていて、妊娠している梨花妃を堕胎させようと活動している所だった。

杏はキャラバンから仕入れた香油(堕胎薬)を倉庫に隠していた、だがそこに人が来ては困るので、わざと病人の思思を配置して「危険区域」にして人を遠ざけた。杏は気が弱く、頭が回らなそうな侍女を集め、圧をかけて倉庫には近づくなとコントロールしていた。

 

毒物の持ち込みはリアル
 部分的にはリアルなところがあって外からの購入品は宦官がチェックすることになっていたんだけれど、さすがに妃とか高位の女官は検査が甘かった。だから高位の女官や妃ほど毒を持っていたっていうのはマジらしい。ただ正直 酒や薬や化粧品に混ぜて持ち込むから 毒かどうかは分からんのよね。 

マオマオが毒だ!って言ってるけど、どうせ即効性はないだろうし 「言いがかりや。証拠あんの?」で逃げられてしまう。

結局 マオマオと壬氏様の追求で、杏(シン)が激昂して 洗いざらいぶちまけてしまうんだけど、これだけ慎重だった杏が突然 激昂するっていう 突然のキャラ崩壊は ちょっと可哀想だなって。

「香油は私をはめようとした第三者が置いた!」とか政治家ムーブで逃げ切れたし、「誰かが服に香油を塗った」とか言って、最悪の場合は、禁制品回収の触れが出ていたのも 女官から連絡が来てませんでした「過失です」で通せたと思う。いくらでも逃げ切れてしまう。

逆にマオマオを 「あんたは許可なく倉庫の扉を開けて 水晶宮に病気を拡大しようとした!」とか訴えておけば 余裕でマオマオを追放まで追い込めてしまえたんじゃなかろうか。杏はツイてなさすぎて泣ける。

 

白いオシロイバナを植えたのは誰?

回復を祈って 下女仲間が植えていたみたいよ。事件が終わった後で マオマオに容態を聞きに来る子です。嫁にするならこういう子にしなってドーラが言ってた。

水晶宮にも優しい子がいたんだなって。アニメでは 種には毒性があって堕胎薬の原料になるって言っているんだけど、現実ではその効果があるかどうかは分かっていない。ただし根と種にアルカロイド系の毒があって、摂取すると、吐き気、嘔吐、下痢になるので 食べないほうが体に良いらしいよ。マオマオは焼肉のタレで炒めて食ってそうではある。

まぁ毒に詳しい人が植えたなら わざわざ疑いが拡大するような事はしないだろうし、原料が欲しいなら白くなくても良いよね。ほな。

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