
報道官になるまでのキャリア
幼少期「平民階級からの成り上がり」
キャロライン・レビットは1997年8月24日、ニューハンプシャー州のアトキンソンで生まれました。カトリック教徒の家庭で育ち、両親は大学に通っていませんでしたが、家族はアイスクリーム店や中古トラック販売店を経営するビジネス一家でした。彼女は幼い頃から家族のビジネスを手伝っていた。
スポーツで早速リーダーシップを発揮するアネキ的存在
高校はマサチューセッツ州ローレンスのセントラル・カトリック高校に通い、ソフトボールとフィールドホッケーのチームキャプテンを務めるなど、スポーツでも活躍。
大学で政治学を学ぶ
2015年に高校を卒業後、ニューハンプシャー州にあるセント・アンセルム大学にソフトボール奨学金で入学。政治学とコミュニケーションを専攻し、2019年に学士号を取得しました。大学時代には、セント・アンセルム放送クラブを設立したり、「The Saint Anselm Crier(学校新聞)」でトランプの旅行禁止令を擁護する記事を書いたりするなど、積極的に活動。
また、ニューハンプシャー政治研究所でボランティアをしながら政治への関心を深めました。2016年)の大統領選挙期間中には、学生としてFox Newsでインターンを経験し、報道や政治の世界に初めて触れました。さらに、ローマのジョン・カボット大学で1学期留学するなど、国際的な視野も広げています。
最初は報道志望だったが、政治に路線変更。
大学在学中、レビットは当初ジャーナリズムの道を志していました。地元のテレビ局WMUR-TVでニュースライターやプロデューサーとして働き、エミー賞を受賞したセグメントの制作にも関わりました。また、NBCスポーツ・ボストンでニュースアシスタントとしても経験を積んでいます。
トランプ政権での初期のキャリア(2017-2021)
レビットの政治キャリアは、トランプの第一次政権で本格的に始まります。2017年、大学在学中にホワイトハウスでインターンとして働き始め、大統領対応室で大統領の名義で手紙を書く役割を担いました。この経験が彼女の政治への情熱をさらに強め、「これが私の生きる道だ」と確信したと後に語っています。
2019年に大学を卒業後、正式にホワイトハウス報道室にアシスタント報道官として入職。当時報道官だったケイリー・マケナニーの下で働き、記者会見の準備をサポートしました。マケナニーはレビットの知性や前向きな姿勢を高く評価し、「すぐに採用したいと思った」と振り返っています。レビットは「偏った主流メディアと戦った」と自ら述べており、トランプ政権のメディアに対する敵対的な姿勢を共有していました。
2020年大統領選挙でトランプがジョー・バイデンに敗れる。トランプ政権終了後、2021年にニューヨーク州選出の共和党下院議員エリーズ・ステファニクのコミュニケーション・ディレクターに就任。ステファニクはトランプの強力な支持者であり、レビットはこの役割でトランプ支持層とのつながりを維持しつつ、議会での広報スキルを磨きました。
25歳で下院議員選挙に出馬。
2022年、レビットはニューハンプシャー州第1選挙区から下院議員選挙に出馬。25歳の若さで共和党予備選を勝ち抜き、Z世代(1997年以降生まれ)として2人目の議会予備選勝利者となりました。彼女の選挙活動はトランプのスタイルを模倣した攻撃的なトーンが特徴で、減税、強硬な国境政策、トランプの「アメリカ第一」を訴えた。
対立候補のマット・マワーズを「沼(既得権益層)」と批判し、トランプ支持の右派からローレン・ボーバートやテッド・クルーズ、ステファニクらの支持を得ました。
が、大差で負ける
しかし、一般選挙では現職の民主党議員クリス・パパスに敗北(45.9%対54.0%)。この敗北にもかかわらず、彼女の若さとトランプへの忠誠心は共和党内で注目され、後のキャリアに繋がりました。
トランプ支持団体での活動と2024年選挙
議会選挙後、レビットはトランプを支持するスーパーPAC「MAGA Inc.」の報道官として活動を開始。2024年1月には、トランプの2024年大統領選挙キャンペーンの全国報道担当秘書に就任しました。
この役割で、彼女はトランプの政策を擁護し、テレビ出演や記者会見を通じて全国を飛び回りました。たとえば、トランプの口止め料裁判中にマンハッタン刑事裁判所の外で記者会見を開き、トランプを擁護しました。
トランプの信頼を得る
この期間で、レビットはトランプの信頼を獲得。トランプは彼女を「賢く、タフで、非常に効果的なコミュニケーターだ」と評し、2024年11月15日に第二次政権のホワイトハウス報道官に指名しました。彼女は2025年1月20日に27歳で史上最年少の報道官となりました。
資産家イケオジとの結婚とキャリアへの影響
レビットは2023年12月に不動産開発業者のニコラス・リッチオ(59)と婚約し、2025年1月のトランプ就任式直前に結婚しました。リッチオは彼女より32歳年上で、ニューハンプシャーやボストンで15棟以上の不動産を所有する実業家です。
2024年7月10日には長男ニコラス(愛称:ニコ)を出産しましたが、トランプがペンシルベニアで暗殺未遂に遭った3日後の7月13日に、わずか産後4日で仕事に復帰。「大統領が命をかけて選挙に勝とうとしているのだから、私も働かなければ」と語って忠誠心と社畜魂をアピールしました。
なぜレヴィットが選ばれたのか?
トランプは人事で「忠誠心」を最優先します。レビットは若いながらも、トランプ陣営で長年働いてきた「生え抜き」です。彼女は第一次政権の終盤(2019-2020年)にホワイトハウスの広報チームでインターンや報道官補佐を務め、2024年の大統領選ではトランプ陣営の全国広報担当として活躍。
トランプは彼女を「賢く、タフで、コミュ力が優れている」と公に称賛し、自身のメイクアメリカスローガンを託せる人物と見なしました。
レビットはZ世代(1997年生まれ)の代表格として、従来の「レガシーメディア」だけでなく、ポッドキャストやインフルエンサー、YouTubeなどの「ニューメディア」に訴求する力を期待されました。
レビットの報道スタイル—例えば、突っ込まれても威圧で乗り切る姿勢—は、実はトランプ好みなんです。彼女はメモをほとんど見ず、トランプの政策を自分の言葉で擁護し、批判的な記者とも堂々と渡り合う。
第一次政権の報道官たちは、トランプの予測不能な発言に振り回されがちでしたが、レビットはトランプの誇張や攻撃的なトーンを「増幅」する才能があると見られています。
例えば、彼女がコメの700%関税を繰り返したのは、トランプの「貿易戦争」で「日本からこんな ひどい関税をかけられているのだ!」というウソメッセージを強調するためで、事実の正確さよりインパクトを優先する姿勢はトランプの意に沿うもの。
レビットはニューハンプシャーのアイスクリーム店を営む家庭出身で、奨学金でカトリック系の大学(セント・アンセルム・カレッジ)に進学した苦労人でもある。
大学時代からトランプ支持を公言し、反リベラルな放送クラブを立ち上げるなど、早熟な政治意識を持っていました。2022年には25歳で下院選挙に出馬(落選)するなど、野心家です。この「アメリカンドリーム」的経歴は、トランプが好む「アメリカンドリーム」の物語にハマります。彼女の若さとエネルギー、トランプへの一貫した忠誠は、政権の「新世代」を象徴する存在としてアピールしたんだと思います。
そもそもホワイトハウス報道官の役割はなにか?
- 大統領のメッセージを伝える
- 主な仕事:報道官は 大統領の政策や発言をメディアや国民に説明し、政権の立場を明確に伝えます。たとえば、トランプの第二次政権でレビットが「相互関税」や「アメリカ第一」を強調するのは、大統領の貿易戦争や経済ナショナリズムを広めるためです。
- トランプ政権の良さをSNSにアピールする。
- 主な仕事:記者会見を開き、国内外のメディアからの質問に答える。ホワイトハウス記者団(WHCA)や外国特派員とやりとりし、政権の透明性をアピール(またはコントロール)する。
- レビットの例:2025年1月28日の初会見で、レビットは「連日会見」を約束し、従来のメディアに加えてポッドキャストやインフルエンサーにも席を開放した。トランプは民主党支持の多い「レガシーメディア」を隅に追いやり、若い層に直接訴える戦略を取っている。
- トランプがミスったら→危機管理と火消し
- 主な仕事:大統領の失言、スキャンダル、政策の失敗が起きたとき、ダメージを最小限に抑える説明や反論を展開する。報道官は「盾」の役割も担う。
- レビットの例:トランプの関税政策で市場が混乱したとき、レビットは「株価下落は中国のAIが原因」と発言(2025年3月)。これ、事実かどうかより「政権の責任じゃない」って印象を植え付けるための火消しだった。
- 「トランプはこんなに頑張っている」→
国民の洗脳コミュニケーション- 主な仕事:大統領のビジョンを「わかりやすく」伝え、支持を広げる。テレビ、SNS、インタビューを通じて、政策のメリットをアピールする。
- 「共和党は 賢く、元気で、強いんだ」とアピる
トランプは民衆に 「政権は有能だ、安心して任せられる」と印象付けたい。間違ってもトランプが嘘つきの爺で、大きな事を言ってるくせに何も達成できないし、スタッフはイエスマンばかりで、強いやつには弱い腰抜けだと思われては困る。そのため 彼女は若くて、元気で、強い「トランプのミニチュア」として、第二次政権の「新時代」をアピールしている。
記者を威圧したり 都合の悪い質問を制止する様子がクソナマイキに見えるのは、そもそもレヴィットの負けん気の強いアグレッシブな性格、若さや元気が外に出ているのと、政権の「顔」として、「客観的な事実」よりも「トランプの主張」を代弁ゴリ押ししなければならないという任務を忠実に守っているからなのだろう。