コロナ論 感想 3/5点 気合とロマンではなかなか超えられぬ現実

いつものように主張が強烈。「ゴーマニズムとはいえ もう少し控えめにしゃべりなっせ」と思いながら聞く必要があると思う。

主張は コロナにびびって自粛していたら 経済が死ぬ。それは巡り巡って自分たちに跳ね返ってくる。だから経済を回せ。あと適当な情報を流しているマスコミは反省しろ むしろお前たちが自粛しろという内容。(違ってたらごめん)

現在 日本国内のコロナウィルスの死者数は3300人弱。 インフルエンザによる死亡者数は毎年3000人。なのに大騒ぎして 休みの日には家から出るな 他県からまたいでうちの県に入るなと 大騒ぎをしているとの主張。

しかし この主張は間違っている。小林さん、これは改めないとダメです。

コロナのほうが致死率は高い。
インフルに罹患する人は 年間約1000万人で死亡者は3000人超。一方 コロナにかかった人が23万人で3300人の方が亡くなられているので、実はコロナのほうが50倍くらい危険だったりする。そこは小林先生は間違っていると思う。

政府もメディアも当てにはならんよと

この本で学ぶべきは 政府には機動性がなく、いっぺん言ったことを なかなか撤回できない特性があるというのと、マスメディアは視聴率欲しさに ビビらせるようなことしか言わないということだろう。そういう側面はあるかもしれない。

連日コロナで何人死亡したと報道して GOTOを利用する気になるのだろうか。

政治家がいかにあてにならないかの例としてはH1N1ウィルスが挙げられている。詳しくは本書に譲るが 2009年にH1N1ウィルスが流行した時は、普通のインフルエンザなのに 総理が水際で食い止めねばならんと大騒ぎしたので 市民も「かかったら死ぬレベル」なんだと勘違いした。

小林氏はコロナウィルスもH1N1インフルエンザウィルスと似たようなものであると考えたようだが、実際は違っていた。コロナウィルスは感染力が強い上に 80代以上の男性が感染すると17%の確率で死んでしまうウィルスだった。(厚生労働省

とはいえ、小林よしのり氏の指摘通り、マスコミや各自治体が 企業の自粛を要請した結果、飲食店や観光業は特に影響をうけて経営危機に陥っている。

連日ニュースでコロナの感染者数と死亡者数をあげる。誰も街を出歩きたくはなくなる。かといってテレビをつけてもラジオをつけてもコロナであるのでなかなか出歩けない。

小林さんのまずいなと思ったところは 自分は正しい 相手はクソだ虫けらだといい過ぎるところだと思う。引きこもるサルであってはいけないというけれど、もし自分だけの問題だったら 誰も引きこもらんだろうと思う。

自分が家族にウィルスをうつしてしまうかもしれないというリスクがあるので、それを考えるとなかなか外出はしにくい。そこを責めてもしょうがないんじゃなかろうか。

夏は暑いのにマスクを求められる。肺が弱っている高齢者は苦しそうに見える。

消費税は高い。外で飯を食うにはマスクをとらにゃならん。感染症だと言うのに 感染した場合は会社でバカ上司から「自己管理がなっとらん」だの 何を言われるか予想もたたない。

外に出たくなる要素が減っている

なら最小限で済まそうとなってしまう。気合でどうなるものでもないわけです。

いろいろ気にする現代人

次の選挙の最大のテーマは アフターコロナの経済政策になると思う。数年前の民主の体たらくはともかく、まともな事を言っている候補者は応援せねばならないのは同意。

コロナきっかけで 少なくとも自民でいいという時代は終わっている。基本的にはだまされないだけの科学的リテラシーが最も重要だと思う。

コロナ論に関しては 低評価レビューの指摘が最も参考になる。「小林先生 それは違いますよ」と添削をしながら読むのはなかなかに楽しい。


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