【映画】バケモノの子を解釈する

バケモノの子は 詰め込み過ぎと評価されているけれども、 分かれば すごいシンプルな内容。

竜とそばかすの姫が放映されたということで 告知も兼ねてAmazonプライムとネットフリックスで配信されている。

バケモノの子はサマーウォーズに比べて人気は無い。Amazonレビューを見ても 趣旨がよく分かってない人が多いようだ。

分からん時は作った人の話を聞くのが早い。

細田氏インタビュー
子どもがこの世の中で、どうやって成長して大きくなっていくのだろう」ということ。自分自身が親となって実感したことでもあるのですが、子どもというのは親が育てているようでいて、実はあまりそうではなく、もっと沢山の人に育てられているのではないかなという気がするのです

http://www.bakemono-no-ko.jp/interview/index.html

シンプルに言うと子供ってこうやって成長していくんだよっていうのを描いた作品。

なんでバケモノの世界である必要があったのか

九太は両親と死に別れ、世の中のことはなにも知らない状態で外に出る。

何も知らない 小学生にとって見れば 世の中 バケモノばっかりに見えるっていう比喩なんですね。

その中から九太は 自分であこがれの存在を見出す。それが熊徹。

熊徹という存在は、心の師匠のメタファーですね。血はつながってないんだけど 自分も そうなりたい存在。野球少年だったら 大谷くんみたいな感じ。

で、熊徹と一緒に修行して 九太は成長していく。

守破離

師匠と一緒に頑張るんだけど、自己理解が進んでいく。九太は ある日 自分のあり方を見つめ直す。どうやら 俺と師匠は違うようだと。これも成長のステップですね。

いちど 熊徹の世界から離れて、九太はまた別の世界を知る。ここで、楓は九太を新世界にリードする役割を果たしている。

行きつ戻りつを繰り返し、九太は成長していくんだけれども 途中で邪魔が入る。

世の中 けっこう醜いから気をつけろっていう警告なんですね、嫉妬、妬み嫉みみたいなものは時にクジラのように大きくなって人間を襲う。

怒りに取り憑かれると 人格を変えて、人間そのものまで変えてしまう。一歩間違うと取り込まれてしまう。

その怒りが向かってくる時は 誰も助けちゃくれんように思える。それでも 自分がやってきたこと、知り合った人が力になってくれるから 駆使して乗り切れっていう内容なんですね。

怒りに取り込まれて 同じになったら最悪だと。相手を観察しクールであれと。ここにすごい 力が入ってるので、ここが細田さんからの大きめのメッセージなんですね。

その分流として それまで飲んだくれだった熊徹が 親としての自覚を持ったりだとか、一郎彦も過ちを通じて学んだりだとかが出てくる。

熊徹は九太の一部となり、楓も九太を成長させる重要な人物になっていくのだろうという期待を感じさせて終了。

正直 これは親の視点でみないと なかなか分からないんじゃないかと思う。要素を詰め込みすぎってあるけど、実は九太の成長物語と捉えると 支流が本流にまとまる。

バケモノの「子」って書いてるけど、実は 子供視点で見ては あまり面白くないと思う。親の視点で見て あー分かるなー って実感できるようなアニメですね。

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