トランプ 難癖の「ボウリング球テスト」主張! 8項目の解説と日本の対応

 
 
トランプ米大統領(以下敬称略)は2025年4月20日に自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で「NON-TARIFF CHEATING非関税障壁によるごまかし)」という内容を投稿。
 
要は「非関税障壁を通じて 他国はアメリカに対して こんな不公平な貿易をやっている。けしからーん」と主張しているわけです。
 
自動車の非関税障壁に関しては うちで5日前に予想していましたが、トランプさんが言っているのは 空想レベルのひどいものでした。
 
https://truthsocial.com/
 

トランプ氏の主張の概要

トランプ氏は、以下のような8項目を「非関税障壁による不正(NON-TARIFF CHEATING)」として列挙しました:
  1. 為替操作他国が通貨価値を操作して輸出を有利にしていると主張。
  2. 付加価値税(VAT):EUのVATを関税や輸出補助金として機能する障壁とみなす。
  3. 原価以下でのダンピング
  4. 輸出補助金およびその他の政府補助金
  5. 保護的な技術規格:特に日本の自動車安全基準を名指しし、「20フィート(約6メートル)の高さからボウリング球を落とし、ボンネットにへこみができれば不合格とする」ような過剰な基準があると主張 
  6. 保護的な農業基準:EUなどでの遺伝子組み換えトウモロコシの栽培禁止などを例に、農業分野の規制が貿易障壁になっていると指摘。
  7. 偽造・知的財産の窃盗(年間1兆ドル以上):知的財産権の侵害を非関税障壁の一例として挙げる。
  8. 関税逃れのための積み替え:第三国を経由して関税を回避する行為

見て分かるように、大半が中国への批判です。日本のボウリングテストに関しては言いがかりとか難癖のレベルです。

ボウリング球を使った試験なんぞ存在しない。

トランプ氏はこれまでにも同様の主張を繰り返しており、第1期政権時(2018年)にも「ボウリング球テスト」を持ち出した際、後からホワイトハウスは「冗談だった」と釈明した経緯があります。今回はこうした発言をまた言い出しており、交渉への圧力として利用しているようです。

 
 
日本の車検制度や安全基準は、国連の「自動車基準調和世界フォーラム」に基づいており、米国や欧州と共通化が進んでいます。ボウリング球を使った試験は存在しません。

 

トランプ氏は何を狙っているのか?

  1. 貿易赤字を削減したい:米国にとって巨額の貿易赤字(特に日本や中国との間)を是正するため、相手国に圧力をかけたい。日本の対米貿易黒字は2024年で約8.6兆円で、なんとか削減したい狙いがある。

     
  2. 自分たちの政策を正当化したい:トランプの支持率は落ちており、自分たちの政策が正しいものだとアピールしないといけない。2025年4月2日に発表した「相互関税」のように 諸外国への関税を正当化したい狙いが見られる。

     
     
  3. 国内支持層へ「やってます」アピール:アメリカ・ファースト主義を掲げ、国内製造業の保護や雇用の促進を強調することで、製造業・農家の支持層に「他国と戦うリーダー」として見てもらいたい。

  4. 交渉前の牽制:交渉の前に 非関税障壁として叫ぶことで、日本やEUなどとの貿易交渉に圧力をかけて譲歩を狙う作戦。(例:規制緩和や米国製品の輸入増)を引き出したい。

     
     

まとめ

トランプさんは非関税障壁を「不正」とみなして他国を批判することで 日ごとに下がってきている支持率(forbes)の回復を狙いたいというのが本当の所のようです。それだけ余裕が無いのかも知れません。
 
トランプさんの主張には事実誤認や誇張も多く、日本政府は「事実無根のいいがかりをつけてくる人」を相手に交渉しないといけないという、難しい対応を迫られることになりそうです。
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