【まとめ】 |
Amazonプライムでダークナイトライジングを鑑賞。長いし、スゲー分かりにくい。
レビューでも これが駄作か名作かで意見が分かれてて、自分でもどっちなんだろうというので、真面目にメモを取りながら見てみました。
公平に見ましてね、やっぱりシナリオ的にはこれはフツーですね、星3つです。長いけどそんなに面白くはない。最後だけちょっと盛り上がるけど それまで2時間半は助走みたいなもんです。
ライジング失敗の理由は2つで悪役の描写がいいかげんっていうのと、キャラの詰め込みすぎです。
ジョーカーは分かりやすい
ダークナイトのジョーカーは分かりやすいんですね。思想が全くブレません。ジョーカーは人間がイカれる所を見たかったというだけなんですね、
優しい警官には「お前のマヌケな仲間は何人死んだんだ?」と言って煽る。
金のない警官には賄賂を渡してレイチェル誘拐に協力させる
マフィアの場合は 金を燃やす。「お前はママっ子」だとバカにする。
正義のハービー・デントには 恋人を殺すことで、殺人未遂をさせる。
バットマンには 船の爆破を見せることで 街を救うのを諦めさせようとする
人を悪の道に引きずり込んで 楽しむというクソ野郎っぷりを延々と描いていたので分かりやすかった。悪役の鏡です。
ベインの場合は意味不明
ベインにはジョーカーのような思想はありません。プロットを進めるために 適当に用意された敵キャラだと考えるほうが自然です。
・核融合炉を強奪して、核爆弾を制作。
・スタジアムを選挙して、この街を爆破すると脅迫
・民衆に金持ちから金を奪えと扇動する
・終盤で、タリアの守護者みたいな存在だったと分かる
なんで これから街を丸ごとを爆破するのに 民衆に金持ちを襲わせるのか謎。
最後もキャットウーマンのバイク砲に撃たれて あっけなく死ぬというマヌケさで、扱いも かなりいい加減です。
結局 ベインはバットマンのためのラジコンにすぎない
この3本目はノーランもあんまり乗り気じゃなくて、兄弟とかと話し合っていくうちに、「まぁいけんじゃね」みたいな感じで作ったらしいので、やっぱり蛇足的な作品ではあります。
多分ノーランにとっては ベインは割とどうでも良くて、ひとまずメインキャラの バットマンをどう動かして、どんな感じで着地させるのかってのが最重要だったんじゃねーかなという気がします。
ベインに思い入れがあったら、最後はバットマンとの格闘シーンを入れるはずです。原作は格闘で決着がつきます。
ところが途中で空飛ぶバットモービルとか、バイクもかっこよく入れないといけないし、今回入ってきたアン・ハサウェイのキャットウーマンもスタイリッシュに入れたいわけです。
敵キャラもそれにあわせて動かすので、敵キャラの思想とかは割と適当にならざるを得ないという気がします。
敵キャラはいい加減でも アルグールでつじつまをあわせる
敵キャラを書く時間がない。そこで便利なのがアルグールです。
このアルグールっていうキャラは鬼便利。こいつはゴッサムの破壊をもくろんでいたけれど、死んだ悪の親玉です。
画面に出てこないもんだから、設定をどうとでもできます。
こいつの思想をぼんやりさせておけば、アルグールの部下が何しても「それがアルグールの遺志だ」と、ファンが勝手につじつまをあわせてくれます。
アルグールの娘、タリアが街をふっとばす動機も娘だから父の遺志を継いだという理由にしてくれます。これで無理やり納得させるわけです。
本来はそれはおかしいんですけどね。 タリアが母親の復讐のために井戸をぶっ壊す事はあっても、自分含めて街ごと吹っ飛ばすっていうのは意味が通じません。
タリアは会社役員で 街に順応してるし、金も持っているのに街を壊すメリットなんて無いんです。
でも、なんで街ごとふっ飛ばさないといけないかというと、それはバットマン引退の見せ場をつくるためなんですね。そうしないと話にならない。
でも、それだったらベインが街を吹き飛ばしてもいいじゃんとも思うんですけど、そうなるとベインの動機が薄くなるんです。
ベインがなんで街を吹き飛ばしたいのか分からない。
ベインはアルグールとは仲が悪いので 遺志を継ぐのは無理がある、やっぱりタリアがいたほうがいい。
ベインはタリアが好きなので 街を吹き飛ばすのに協力した という感じでおさめたほうがいいんですね。
総合で見ると、ベインは割とどうでもよくて、ノーランが力入れてたのは バットマン復活と引退、アン・ハサウェイの活躍。ついでに入れたのが、ベインとタリアだったという感じです。