要約 ・2018年10月からサービスを開始すると説明していたが 延期。サービス開始がいつからなのかは不明。料金も分かっていない。 ・基地局整備が遅れているため、事業が開始できない。 ・3432箇所の基地局を2020年3月末までに設置するとのことだが、現時点で 1/6の586局しか設置できていない。 |
4番目のキャリア携帯として期待されていた楽天モバイルですが、ここに来て雲行きがかなり怪しくなってきました。ここで事実関係を整理しましょう。
楽天は10月から携帯サービスを開始すると発表していましたが、2019年9月6日になって、突然先送りを発表しました。
はたから見ると完全に延期なのですが、「延期します」というと総務省から怒られるので、代わりに 発表したのが「無料サポータープログラム」というものです。
無料サポータープログラム 10月1日から来年3月31日まで、限定5000人に携帯サービスを無料で提供する。東京23区、大阪市、名古屋市の居住者を中心に利用者を募集し、当選者には音声・データ通信が無制限で提供される。 |
無料サポ…なんですかそれ? いや、契約できないじゃないですか。
楽天は総務省に提出した文章に「2019年10月サービス開始」って書いちゃったもんだから、できないとなると、文書を全部修正しないといけないんです。
そうなるとまた お金と時間がかかるので、ただの実験でしかないけど、はいサービス開始!って事にしたいように見える。
総務省としても「無料サービスでも事業開始に当たる」としているから セーフになっています。5000人の正直な使用感想が聞きたいところです。
なんで携帯事業が開始できないの?
携帯事業が開始できない原因は基地局整備の遅れです。楽天は3432箇所の基地局を2020年3月末までに設置すると言っていますが、週刊文春の9/19号によると、たった1/6の586局しか設置できていません。
絶対間に合わないじゃん。それって1日14局設置する計算だよ?
うん。材料と人員が用意できたとしても、建物や土地を持っている人と会って話し合いをするわけだから 無理なんだよね。
ソフトバンクの人の話では 2005年にソフトバンクが事業に参入した時にも 基地局が少なかったから つながりにくいとの批判があったそうなんだ。
そこで基地局を設けようとしたんだけど、都心とかは用地確保が難しくて、用地が見つかったとしても他社より高い賃料を要求されたりした。だから新しく基地局を設置するのをソフトバンクはあきらめて、旧ボーダフォンを買収して、基地局設置問題をクリアしたのよ。
楽天が設置しようと思っても、めぼしい用地なんて 全部NTTやKDDIが先に抑えてあるし、場所が残ってないのよね。
楽天はなんでイケると思ったんだろう。
分からない。基地局と必要な用地に関しては 詳しく知らなかったんじゃないかな。
楽天が推していたのは新技術を使うと初期コストと運用コストが3~4割減るという話だったよね。
要は、通信網の管理をインターネット上で行うから、他社みたいに専用サーバーの費用がかからない。だから「料金を安くできる!」という内容だった、それはそれでいいことだと思う。
でも料金発表はまだでしょ?
そう。用地確保にいくらかかるか分からないから、まだ発表はできないんじゃないかな。
携帯大手3社は設備投資額が毎年4000~5000億円、楽天の設備投資予算は 6年で総額6000億円弱なんだけれど、そんな事ができるんだったら他社がやっていないのが不可解なんだよね。
楽天の今回の4半期の営業収益は赤字だから、予想よりも費用がかかっているんじゃないかなと妄想しています。
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