いざという時の情報源として事前に準備しておきたい防災ラジオ
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私が2016年の4月16日熊本で被災した時、電気が1日(水道は3週間)止まり、かなり防災ラジオにお世話になりました。自宅のがれきの除去や掃除をしながら テレビやスマホはできないので震災時はラジオが威力を発揮します。
熊本の場合は震度計がぶっ壊れるほどの大規模な地震が、深夜2時くらいにやってきました。発生した瞬間に電線が千切れ、なにも見えない中で家が揺れていました。
今でもちょっと大きな揺れがくるたびに警戒してしまいます。嫌な思い出です。
体感では震度7だったとおもいますが、もしあの規模の地震が 日本のどこかで発生すると、間違いなく冷蔵庫、本棚、食器棚が全部倒れて家中がグシャグシャになります。
発生直後は危なかったので、机の下に避難して、ちょっと落ち着いた時にダッシュで家の外に出ました。
前日に震度6の地震があったので、次来たら断水するかもと思い お風呂のカマを洗って水を満杯にしていました。これがナイスアイデアでした。この水で1週間は洗い物やトイレを流せました。
前日 気象庁の人は 大きな地震は去ったと発表しましたが、 その直後に2度目の大きな地震が来たので その後は「良くわからない」という風にしか発表しなくなったのを覚えています。今の所 地震の規模を予知できる技術はありません。
夜が明けると 付近の全家庭の家具が横倒しになっていました。ウチは2メートルもある本棚が倒れ、150キロもあるピアノが勝手に50センチ動くほどでした。つぶれはしないものの 家の壁には亀裂が入り なぜか風呂のタイルが22枚剥がれました。
しかし後日訪れた 益城町の被害は比べ物にならないくらいひどかった。胸が痛みます。
100均で売っているもので構わないので、家具転倒防止L字金具で大きなタンスなどは固定しておかれたほうが良いです。タンスの下敷きになって死亡というケースは多いです。
固定していないタンスや冷蔵庫は震度7の場合、間違いなく全部倒れます。
借家の方はつっぱり棒をおすすめします。これをしているだけでまず倒れません。無い場合は木材板でいいので代用しましょう。
あと食器棚は100円均一のものでいいので食器棚の扉をホールドするストッパーは必須です。地味ですがこれの威力は絶大です。ストッパーがなかったら皿は9割以上割れていたと思います。ストッパーのお陰で1割程度しか割れませんでした。地震以来、寝る時は必ずストッパーを掛けてから寝ています。
さて、地震が落ち着くと、「今どこどこに給水車が来てます」と伝える車も巡回しますが、慣れてない役所の人が運転するので、「今なんて言ったの?」と住民には伝わらないことが多いです。なのでラジオが役立ちます。
Amazonでは電池式の防災ラジオが人気no.1のようですが、私は手回しで本体を充電できたり、スマホの充電ができるラジオのほうがいいかなと思います。電池はストックがみつからない可能性と、使えばなくなるという欠点があります。
地震が起こると身内や親族と連絡を取りあって安否確認をお互いにするわけですが、スマホのバッテリーが減ってくるとどうしても不安になってくるので、いざ停電が来ても いつでも充電できるという安心感があるのと無いのでは、ちょっと心持ちが違ってきます。
ちなみにコンビニやスーパーはギリギリでしか機能しませんでした。開いてなかったり、残っている食料品を入手するのがやっとで、道路は瓦礫で一杯になるので、物流も途切れがちで新しい物資が届くのはたいてい2週間後です。まぁ2週間すれば物資は届きます。ありがたいことです。
M6.5クラスの地震が起こると家中のタンスや棚にあるものは、基本的に全部倒れてしまうので、ガラスが飛び散っていたり、引き出しが瓦礫に埋まっていて乾電池も取り出せなかったりします。
地震が収まったら家の中の電池を探せばいいのでは?と思われるかもしれませんが、次にいつ大きな地震がくるのかという恐怖と、家が潰れるんじゃないか 下敷きになるのでは?という恐怖があるので、しばらくは近所の皆さんも 落ち着いて家に入れなかったりしました。
次の地震に家が耐えられるのか分からないので、みんな3日間くらいは夜は家ではなくて、ホームセンターやショッピングモール、大型パチンコ店の駐車場に車を止めて、そこで寝泊まりしたりしました。
もっとも重要なポイントはちゃんとラジオが聞けること
ラジオにライトが付いていると、夜も家の片付けや大事なもの(薬や印鑑など)の捜索ができたりするので良いかと思います。懐中電灯の電池やLEDランタンの電池が切れたときにも活躍してくれます。
ただ、一番重要な機能としては、なんと言っても確実にラジオが聞けるということと、そして長時間聞ける(バッテリー持ちが良い)ということだと思います。
どこに給水車がきているとか、ここで炊き出しがあってるとか、どこの病院が開いているといった情報は重要になってきます。あと孤独感が薄まります、これが地味に重要です。
長期にわたる被災となると水も自由に使えないし、娯楽もなくなって3日位から徐々に気分も沈みがちになるので、気を反らせる意味でも いろいろなチャンネルが選べるようにFM/AM(できればワイドFMも)が入っているラジオがいいなと思いました
被災するとアナログのほうが使えるんですよね。
全国放送も聞きましたが、地元の番組のほうが一緒に被災しているので一体感があって 気分的に安心しました。
FMだけの防災ラジオもありますが、AMの方が電波は遠くまで飛ぶ特性を考えると、情報の確保という面でAMは外さないほうがいいです。
すみません長くなりました、数は少ないですが、 今回は22種類を比較した上で私が特に これならいいなと思う災害用ラジオを3種まとめてみました。
ラジオの性能/バッテリーの持続/ライト/充電機能をなるべく搭載した災害用ラジオです。
安心して長期保管できる充電池を搭載
2017年2月に出たばかりの製品です。通常のニッケル水素式の充電池は、3-5年程度で電池内の抵抗が低下して能力が半分程度になってしまいます。そのため長期保存がむずかしいのですが、このラジオにはニッケル水素充電電池の代わりに、10年間機能を保持するといわれるコンデンサー充電池を搭載しています。
ラジオはFM/AM/ワイドFMにも対応し、バッテリーの持ちもいいです。ライト/スマホ充電機能もあります。もし長期間 防災袋に入れっぱなしにしておかれるならば、現在はこの製品が一番だと思います。
防災用のラジオは、ライトや充電機能がついたりすると大型化して重くなるものですが、パナソニックが販売しているRF-TJ20は重量が288gと軽量なので袋に常備していてもかさばりませんし、給水に行く時などに身につけて移動することが可能です。
かなり小型ですが、万一停電になった時はスマホにつないでハンドルを回すと充電もできます。感度が良くバランスが良いので安心して使える一台です。1世代前のRF-TJ10はワイドFMが入らないというデメリットはありますが、基本性能は同じですので どちらでも構わないです。
ICF-B0xシリーズは2006年に“ラジオ/充電/ライト”の機能を1台に集約して設計されており災害時の事を考えて作られたラジオです。ハンドルを回すとスマートフォンや携帯電話を充電できるので、停電が解消されるまで 家族の人と協力して電話を充電することが出来ます。
2種類のライトがついているので、夜は手元を照らせる非常灯として使える利点があります。
東日本の震災では15,894名 熊本の一連の地震では223名の命が奪われましたが、実際に余震などが起こってみないと なかなか準備できませんし、値段も普通のポケットラジオよりも高価でもったいないなーと感じられるかと思います。
しかし最悪な事に いざ必要になった時に限って 近所の店は開いていないし 開いたと思ったら店頭からあっという間に姿を消します。物流は高速道路がストップしたので1ヶ月は食料品以外の在庫が来ませんでした。
なるべく平時の時に ホームセンターの特売や タイムセールの時などに備えておかれると一番安価かと思います。