【感想】勉強の哲学 来たるべきバカのために「どこまで行っても とりあえずの答え」

勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版 (文春文庫)

ビジュアル系バンドみたいな髪型で哲学を教えてくれる 千葉先生の本。勉強の哲学

この本をザッとまとめると 勉強は3段階に分かれるらしい。

1段階目は 人マネの段階。テレビで バナナが体にいいと言うと、「へー バナナって体にいいんだ」と思ったり、友達に「バナナを摂りなさい」とか言ったりする。

要するに みんながそうしてるからそうする 偉い人が言ってるからそうする。 株でいうとイナゴ。これが第1段階。

第2段階は 第一段階の状態を疑う段階。

「バナナが体にいいとか言ってるけど 根拠は?」「どこソース?」「そもそもバナナをどれくらい摂取したらいいんだろうか」「ビタミンは豊富だけど そればっかりだと糖分の摂りすぎだろ」とか言う。

第2段階は「本当にバナナは体にいいのか」と根拠を追求する役目を果たす。やりすぎると全部否定して何も生み出さない ねらーになる。

第2段階と ねらーとの違いは 自分で調べて とりあえず自分が納得する結論を出す所

第2段階の弊害は行き詰まるということ。やりすぎると カモグループの仲間には入れてもらえない。「それは怪しい」といい過ぎると どうしたってカモグループから「うぜぇ」と言われるので 情報も入ってこなくなり、結局はカモグループよりもアホになってしまう。

でも カモが信じているところに 「違うんじゃね?」とツッコミを入れ始めるのが第2段階。


第3段階
はこの本の「アイロニー」に当たる部分だ。

本を読んで考えたけど 曖昧でよく分からん。千葉さんはアイロニーとか享楽とか 聞き慣れないワードを入れてくる。

アイロニーに関しては 解釈が分かれると思うから本書を当たって欲しいが、 第3段階の人は「バナナは体にいいのか」論争に参加するんじゃなくて、例えば「そもそも健康にいい果物とか?」とか「体に悪いという状態は?」とか「バナナを主食とする動物は何か?」とか 違う方向のエリアを調べるという感じだ。階層が1段上がるイメージ。

バナナ問題から抽象度のエリアを1段階 拡大して バナナを取り込むのが第3段階だと思っている。

第1段階の人は「偉い人が言うからバナナは体にいい」がとりあえずの結論
第2段階の人は「バナナは食いすぎると体に良くないが 砂糖菓子を毎日よりはいい」が結論
第3段階の人は「バナナは他の果物にくらべて 安価でエネルギー摂取という点で申し分ないが、ビタミンB群に偏りがちであるので 他の果物も採ったほうがいいようだ。 栄養学に詳しい人の書籍によると… バナナよりも健康にいい果物は… いや待てよ、肉と果物はどっちが体にいいのだろう」が結論

3の段階の人が考えている事は、 1の人たちから見ると話がズレていくので 一見バカな事をやっているように見える。だけど1の思い込みが留まっているのに対して 3は1が正しいのかどうかや他の候補との比較で見ることが出来る。

1の人は1の結論で満足しちゃってる。2も1を否定して1よりちょっと高いだけで満足しちゃってる。結局 この満足ってのが厄介で、満足すると学習はそこで終わってしまう。千葉さんはここらへんの個人的な制限を享楽という言葉で表現しているっぽい。

一見 1より3の人のほうが賢そうだけれども、第3段階になっても 現段階で言える「とりあえずの結論」でしか無い。

勉強というのは1の状態に満足せず、2そして3へと脱皮することらしい。

3は最強かというとそうでもない。 3が教えを広めて「そうだそうだ」となってしまうと 結局は1の大衆になってしまう。

つまり 自分の知はどこまでいっても不十分だと認識して、真実求めて 疑問をひっくり返してもっといい説をたてまくっている奴が偉いのかも知れない。

このへんを語っているのが本書で言う「比較」の部分だろう。「謎は全て解けた!」とかいう人よりも、「ここまでは分かるんだけど ここからがよく分かんねぇ。 」って人の方が良さげだ。

で、京都大学の山中先生も似たようなことを おっさってらした。
より良い仮説探しの旅は 正解みたいだ。

私は、科学的な真実は、「神のみぞ知る」、と考えています。
新型コロナウイルスだけでなく、科学一般について、真理(真実)に到達することはまずありません。

逆にわかったような顔して どんな問題でも「これは科学的に正しい!」とか「アメリカの何とか大学の研究によると…」とか断言しちゃうようなメンタリス 人は1なので 大して物知りではないだろうし、結局 3番煎じにしかならない。

理解への欲求心が高く 他人の話も良く聞くんだけど、気になる所は 自力で解を探そうと調べ尽くす人の話を聞いたほうが たぶん 楽しいと思う。

ウメハラさんは こういうタイプだから 話聞いてて飽きないのかも知れない。

勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版 (文春文庫)

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 2020-03-10
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