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故障しにくいHDD【2018】 | ヘビーゲーマーを救うSSHD | ||
SSDはどれが長く使える? |
SSD人気で値段が下がってきたHDD
SSDやスマートフォンの人気でハードディスクの出荷台数は年々減少していますが HDDの価格は過去最低水準近くまで下がってきたので、かなりチャンスだったりします。
しかし、壊れたらインストール作業とかが また面倒だから壊れにくくて長く使えるHDDが欲しいということで調べてみました。
故障率を公表しているBackblaze社
巨大クラウドストレージサービスを運用する Backblaze社は2017年1月~3月にかけて自社で使用しているハードディスク(HDD)の故障率を発表しています。
Hard Drive Stats for Q1 2017
https://www.backblaze.com/blog/hard-drive-failure-rates-q1-2017/
Backblaze社がテストしたHDDは82,516台。うち17種類のハードディスクの故障率を計算してくれています。容量は3~8テラバイトで全て3.5インチドライブです。↓はその表です
項目は左から順に
MFG=メーカー名
モデル=品番
ドライブサイズ=容量
運用台数
運用日数
故障回数
通年換算の故障率
となっています
Backblaze社の見解
故障率が異常なモデルは台数・日数不足が影響か
故障回数0のモデルもいくつかありますが、これは運用日数が少ないことによるもので、もうちょっと試験日数を伸ばすと故障率が安定すると述べています。
ST4000DX000は故障率が高いですが、これは170台と台数が少ない上に導入直後はエラーが発生しやすい点を考慮に入れると製品寿命での通年故障率は7.5%となるとのこと。「台数が少ないので統計的に確かだとは言い切れない、ただ何千台も購入する際には参考になるかもしれない」と述べています。
しかし台数が少ないのは他にもありますので、私個人の意見としてはメーカーに気を使ったアナウンスのような気もします。
年率換算の平均故障率は2.11%ですので、これより低いHDDは相当こわれにくいと判断して
性能の良いHDDを見ていきたいと思います。
故障が少ない順に並べた表
故障率が少ない順に並べてみると以下のようになりました。平均値2.11%を超えてきたのは12種類です。一部サンプル数が少ないものもありますが、太字のSeagate ST8000NM0055より上の製品は故障率が低い製品と見て良さそうです。
MFG | M0del | Size | Count | Drive Days | Failures | Failure Rate | 実勢価格 |
Toshiba | DT01ACA300 | 3TB | 46 | 3956 | 0 | 0% | 7,807 |
WDC | WD40EFRX | 4TB | 46 | 3,956 | 0 | 0% | 16,700 |
Toshiba | MD04ABA500V | 5TB | 45 | 3,870 | 0 | 0% | – |
HGST | HUH728080ALE600 | 8TB | 45 | 3,870 | 0 | 0% | 46,439 |
HGST | HDS5C4040ALE630 | 4TB | 2,624 | 232,760 | 1 | 0.16% | – |
HGST | HMS5C4040ALE640 | 4TB | 8,482 | 644,282 | 6 | 0.34% | – |
Seagate | ST6000DX000 | 6TB | 1,891 | 162,506 | 3 | 0.67% | – |
HGST | HDS5C3030ALA630 | 3TB | 4,380 | 383,788 | 10 | 0.95% | – |
Seagate | ST8000DM002 | 8TB | 9,861 | 815,494 | 23 | 1.03% | 35,368 |
WDC | WD30EFRX | 3TB | 1,025 | 94,973 | 3 | 1.15% | 11,497 |
HGST | HMS5C4040BLE640 | 4TB | 15,339 | 959,967 | 37 | 1.41% | – |
HGST | HDS723030ALA640 | 3TB | 974 | 83,918 | 4 | 1.74% | – |
Seagate | ST8000NM0055 | 8TB | 2,459 | 37,559 | 2 | 1.94% | 38,800 |
WDC | WD60EFRX | 6TB | 443 | 38,271 | 3 | 2.86% | 24,801 |
Toshiba | MD04ABA400V | 4TB | 146 | 12,551 | 1 | 2.91% | – |
Seagate | ST4000DM000 | 4TB | 34,540 | 2,981,251 | 267 | 3.27% | 9,979 |
Seagate | ST4000DX000 | 4TB | 170 | 15,261 | 15 | 35.88% | 9,943 |
性能の良いHDD
故障率が最も低いのはHGST社
HGST社のHDDは全モデルの故障率が低く抑えられています。現在はWD社傘下になった事で、品番の商品が品薄になっていますが生産拠点は変わっていないので新商品も変わらない品質だと考えていいです。
レビューを見ているとHGST社のHDDを20年使っていたという方もいましたが、ホンマかいなと思って同社のHDS5C4040ALE630を単純計算すると、630年に1回壊れるという脅威の故障率になります。もちろん実際には経年劣化でそこまで持たないとは思いますが、それにしても驚きの性能です。
OS用のHDDなど故障を抑えたい場合には、その特性を活かして、HGST社のHDDが良いでしょう。 Travelstar1TBは評価も安定しています。
ただ 性能が良いだけあって 大容量HDDまでHGSTにすると高価になるので、コストを抑えたい場合は他社製のHDDと併用なさるのがよろしいかと思います。
大容量&低価格 コストパフォーマンスの良さで勝負するSeagate
Seagateは性能が悪いイメージがありましたが、性能は改善されてきておりST8000DM002など、製品によってはWD社を超えている製品も見られます。
この表では2番目の頻度で故障するとされているST4000DM000 ですが、この製品でも3年使って1回故障するかしないかというレベルです。
ST4000DM000は”4TBで10000円以下”という安さでユーザー人気も高く 価格コムでは2017年10月現在HDDランキング1位を獲得しています。
HGSTを追いかけるWDの赤モデル
Backblaze社はWD社の赤いモデルのHDDを使用しています。WDのHDDは赤 青 緑 紫 黒 金の6色に分かれていますが、赤は保証期間が長く高耐久なRAID用のモデルです。
テストされているのは全部赤モデルのHDDですが、性能の個体差があるのが面白いところで、6TBのHDDよりも3TBや4TBのほうが優秀な結果が出ています。
テスト回数が多いWD30EFRX (3TB)で計算してみると これは8~9年で1回壊れるかどうかという数値になります。使い込み具合にもよるのでしょうけれど 3年保証も納得という感じがします。
・ウェスタンデジタルのHDD 青・赤・黒・紫 それぞれの違い