【雑学】Fanaticalはなんでゲームを安く売れるのか?の巻

 
Steamに比べて知名度は無いから なんか怪しそうって思っちゃうけど GMGと同様 Fanatical健全な販売店。イギリス拠点の会社でもう13年位の実績があります。

FanaticalがゲームをSteamより安く売れるのは、制作者やパブリッシャーからSteamキーを大量に買う代わりに、安くしてもらっているからです。
ディスカウントショップと似ている。ちょっとストーリーにして解説してみます。

開発者から安く仕入れる ファナティカル

例えば 私が 新作ゲーム『スーパー猫ちゃん』を作ったとします。それをSteamを通して20ドルで売ることにしました。

私はSteamと契約して 『スーパー猫ちゃん』を登録。Steamからは「このゲームをうちのプラットフォームで売っていいよ」と許可をもらい、Steamキー(ゲームを有効化するコード)を作れるようになりました。

Steamキーは、プレイヤーがSteamでゲームを「アクティベート」するために使います(例:「1234-ABCD-5678」みたいなコード)
開発者やパブリッシャーは、このキーをSteamで売ったり、Fanaticalみたいな別のサイトで売ったりできます。

『スーパー猫ちゃん』は中年男性に大ヒットしました。定価は20ドルですが 売れるたびにSteamは20~30%持っていきます。強欲ですね。私の儲けは14ドルです。『スーパー猫ちゃん』は毎月1万本売れていましたが、2年目になると人気が落ちてきました。

仕入れから出荷まで

そんなある日、『スーパー猫ちゃん』の評判をを聞きつけたFanaticalの人が来ました、私に「スーパー猫ちゃんのキーを1000個買うから めっちゃ安く(10ドルとか)で売ってくれませんか」と持ちかけてきました

私は「うーん、Steamなら14ドル入るけど、1000個一気に売れるならいいよね!」ってOKしました。

私はSteamで1000個のキーを作って Steamに手数料を払います。 この時 生産者はバルブと話して手数料を相談します。ここらへんの数字は非公開でわかりませんが、噂では少額のライセンス料(例:1キー 0.1~1ドル)だとか言われています。今回は取引がうまく行ったので 0.1ドルでいいよと言われました。そんなわけで 1000キー作って 100ドルをValveに払いました。

 

みんなが得する仕組み

翌日 スーパー猫ちゃんのライセンスキーをファナティカルに売却して 10ドル☓1000=10,000ドルをゲット。
ファナティカルは「スーパー猫ちゃん」を12ドルで販売しました。
ユーザーの人はネットでFanaticalを見て  「スーパー猫ちゃん」が 半額だー! という事で行列になって  ライセンスキーの在庫が減って売り切れになる。だいたいそんな感じです。

Fanaticalの戦略 -セールとバンドルでガンガン売る-

Fanaticalは「Star Deal」とか「86%オフセール」とかで、めっちゃ安く売ったりします。プレイヤーを引きつけて、サイトの人気を上げるためです。バンドル(例:2ゲームで10ドル!)とかやって、ちょっと古い名作を売ったりしています。

  • パブリッシャーもハッピー
    パブリッシャーは「古いゲームのキーをFanaticalが大量に買ってくれるので、 大量に捌けるなら 5ドルでいいや」って感じで卸したりもします。Fanaticalはそれをバンドルにしたりして 安く売って、プレイヤーは「なんでこんな安いの!?」って飛びつく。

Valveはちょっと「むむっ」て感じ

 ・ Steamとしては、Fanaticalが早い時期から『スーパー猫ちゃん』を10ドルで売るのは、嬉しくない。だってSteamで20ドルで売れば、6ドル × 1万 = 6万ドル入るのに、Fanaticalだとキー生成料(例:0.1ドル × 1万 = 1000ドル)しか直接入らない。

だから 最新タイトルがFanaticalで安売りされると、Steamの「定価で買う価値」が薄れちゃうので 恐らく人気のうちは キー生成の価格を上げて
流れないようにしているんだろうって言われている。

Steamフォーラムで「Fanaticalは旧作は安いけど、最新作はSteamと大差ない」って声があるけど。あれもValveが最新作の安売りを抑えてるからだろうな。
 

  • でもsteamが我慢する理由
    • Fanaticalで買った人も、Steamでゲーム動かす。そうすると DLC(例:猫スキン2ドル)なんかを1万人が買えば、Valveは0.6ドル × 1万 = 6000ドル儲かる。
    • Fanaticalがパブリッシャーの在庫を処分してくれると、パブリッシャーも「資金が入ったし Steamで新作作っちゃお!」ってなる。Steamのゲームラインナップが増えて また儲かる。
    • SteamはEpic Games Store(手数料12%)とも競争してるから、Fanaticalを締め出しても パブリッシャーはEpicに逃げちゃう。
Fanaticalの弱点  人気作とか新作の入荷は難しいよ
Fanaticalが「1万本売るよ!」って言っても、パブリッシャーが「まだ人気だし最新作だから5%くらいしか値引きできないな」って断ると、Fanaticalにキーは入らない。だから最新タイトルは、発売直後だとFanaticalで割引が少ない

そんなわけで Fanatical は ゲーム界のディスカウントストアみたいな存在だね。いろんな人がyoutubeでバンドル開封ガチャ みたいな動画あげてるけど あれも楽しい。 

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